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イベリス

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第八十話 夏祭りが近付きその七

「それもかなりね」
「本当に嫌われてる人はね」
「表面上はお付き合いあっても」
「その実はよ」
 これがというのだ。
「嫌われるのよ」
「そうなるのね」
「普通に嫌われてる人はその人に堂々とね」
 その様にというのだ。
「言われるのよ」
「嫌いだって」
「これはまだ嫌いと言ったらあらためる」
「そうした人だからなの」
「だから人も無意識でもね」
 それでもというのだ。
「あらためて欲しくて」
「嫌いだってなのね」
「言うのよ」
「そうなのね」
「けれど本当に嫌われてると」
 そうした輩はというのだ。
「訂正なんてしない」
「そう見てなのね」
「もう何も言わないで」
 それでというのだ。
「表面上はお付き合いしても」
「嫌々で」
「陰口言ってそのうちね」
 これがというのだ。
「徹底した無視にもね」
「なるのね」
「そうよ、本当に嫌われていると」
 そうであるならというのだ。
「嫌いとか何とか悪いところあらためろともね」
「言われないのね」
「つまり見捨てられるのよ」
「何を言っても無駄だって」
「その様にね」
 こう咲に話した。
「思われて」
「それでなのね」
「嫌々お付き合いされて」
 そしてというのだ。
「陰口言われて最後はね」
「無視ね」
「皆我慢の限界がきて」
 付き合うそれにというのだ。
「それでね」
「お付き合い止めるのね」
「誰だってね」
「そうなるの」
「そうよ、嫌な人は」
 それこそというのだ。
「本物だとね」
「堂々と嫌いと言われないのね」
「そうしたものよ」
「世の中って不思議ね」
「まだ面と向かって嫌いと言われる人はいいのよ」
「あらためると思われているのね」
「そしてあらためる場合もね」
 そうした人もというのだ。
「あるから、けれど言われない人は」
「あらためないのね」
「そもそも気付かないし」
 自分が嫌われていることにだ。
「表面上だけしか見なくて」
「人をなのね」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。
「皆何時かは我慢の限界が来て」
「お付き合いしなくなる」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そこも覚えておいてね」
「わかったわ」
 咲ははっきりした声で答えた。 
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