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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその二十四

「ならです」
「故障が少なくですね」
「整備と量産をしやすい兵器を大量建造し」
「そして、ですね」
「その数で、ですね」
「攻めます、エウロパ戦役でもそうしましたし」
 それにと言うのだった。
「そしてです」
「これからもですね」
「そうした兵器で戦い」
「そしてそのうえで」
「勝っていきますね」
「そうしていきます、ただ」
 ここでだ、八条はこうも言った。
「奇想兵器は用いずともアイディアは残しておきたいと」
「お考えですか」
「そうしたことも」
「そうなのですね」
「はい、そこからです」
 その奇想からだというのだ。
「面白い兵器も出来ますし」
「だからですね」
「残しておき」 
 そしてというのだ。
「後にそこからです」
「新しい兵器を開発する」
「そうしていきますか」
「今後は」
「そうも考えています、オーソドックスは守っても」
 そうであってもというのだ。
「奇想も学ぶ」
「それが重要ですね」
「時として」
「そしてそれが戦争に役立ち」
「戦争を勝利に導きますね」
「イギリス軍もです」
 この国の軍隊もというのだ、そしてそのイギリス軍が中にあるエウロパ軍もというのだ。実際にイギリスはエウロパの主要国家の一国でありイギリス系の軍人はエウロパ軍においてドイツやフランスと並ぶ数を誇っている。
「そこかでしたね」
「多くの優れた兵器を生み出していますね」
「確かに奇想に走り過ぎた兵器も多かったですが」
「実用化しなかったものも含めて」
「何かと」
「あのドレッドノートも」
 八条はこの戦艦の名前も出した。
「そうでしたし」
「今の連合軍の艦艇はあの形ですからね」
「ドレッドノートタイプで」
「左右に副砲を置かず」
「手法を艦の中央に集中させています」
「連装の砲塔を多く置き」
「艦橋からコントロールしています」
 尚サハラやエウロパの艦艇は前面に向けてビーム砲やミサイルランチャー、魚雷発射口を向けている。連合軍の艦艇とはかなり違うタイプだ。
「それは、でしたね」
「ドレッドノート級からでしたね」
「主砲を中央に置き」
「副砲を左右に置かない」
「帆船のタイプではなく」
「そうした形にしたことも」
「あの艦艇からでした」
 そのドレッドノート級からというのだ。
「あれは画期的な艦艇でした」
「左様でしたね」
「あれはまさに」
「他にはない」
「素晴らしいものでしたね」
「ああした兵器も生み出しました」
 イギリス軍の奇想とも言える発想はというのだ。 
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