星河の覇皇
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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその二十三
「全てです」
「既存の武装ですね」
「そうしています」
例えばティアマト級の主砲は砲艦のそれだ、それを使用してコストや整備性、量産性に問題がない様にしているのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「私は一隻一隻を特別なものにするより」
「強力な兵器で統一する」
「その様にしています」
まさにというのだ。
「そしてこれは連合ではです」
「各国軍もですね」
「それこそ連合創設の頃から」
その頃からだというのだ。
「守られていることで」
「あるべき姿ですね」
「兵器は量産性と整備性があり安定感も備え」
「コストもいい」
「そうしたものをです」
性能と共にというのだ。
「備えているべきです」
「アメリカ軍の兵器ですね」
「二次大戦以降の」
「M4シャーマンやP-51の様な」
「ああした兵器が理想ですね」
「そうです、シャーマン戦車は」
八条は特にこの戦車の話をした。
「よくドイツ軍の戦車より性能は落ちたといいますが」
「その実は、ですね」
「操縦性がよく」
「狙いも正確で」
しかも走行中も容易に命中させられた。
「故障も少なく」
「整備しやすく」
「量産にも向いていました」
「だからです」
そうした要素を全て備えていたからというのだ。
「素晴らしい兵器でした」
「そうですね」
「ドイツ軍の戦車は確かに強力でしたが」
「パンテルやティーゲル等」
「しかし整備性はシャーマン程でなく」
「量産性もあそこまではありませんでした」
「そして故障も多く」
そうしたところを見ると、というのだ。
「どうしてもですね」
「シャーマンに劣りましたね」
「アメリカの国力もありましたがシャーマンは大量生産が出来ましたし」
このことも可能だったがというのだ。
「数で負けましたね」
「戦車においても」
「アメリカの圧倒的な数に」
「我々は幸い国力があります」
八条は連合という国の話もした。
「アメリカの様に」
「それならですね」
「その国力を使い」
「量産性と整備性のよい兵器を大量に生産し」
「戦場に投入すべきですね」
「奇想兵器ではなく」
「はい、奇想ではなくオーソドックスです」
こちらだというのだ。
「我々は」
「左様ですね」
「そうした兵器を大量に造り」
「そのうえで配備し」
「その数で戦いますね」
「それが連合軍ですね」
「そうします、ましてや連合は他の国よりも人口と国力で圧倒しています」
この事実もだ、八条は把握して言うのだった。
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