ハッピークローバー
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第四十五話 アルバイトに部活にその六
「サラリーマンとか」
「スーツね」
「そうした人達が恰好良いってね」
「思うのね」
「作業服とかね」
「そうなのね」
「じゃあ私達真面目ね」
かな恵は一華に笑って話した。
「理虹ちゃんの言う通り」
「そうなのね」
「それで最悪な人は」
そうした輩はというと。
「権力に反対するとかで」
「バイクを盗む様な人を恰好良いって思うのね」
「運動家とかね」
「あの見るからに胡散臭い」
「そうした人達をよ」
まさにというのだ。
「恰好良いってね」
「思うのね」
「権力に反対、反抗してるとかで」
「それでも犯罪は駄目でしょ」
「当然ね」
「言うまでもないでしょ」
一華は眉を顰めさせて言い返した。
「もうね」
「それがよ、権力に反対してるとかならね」
「犯罪をしてもいいっていうのね」
「そんな人もいるわよ、殺人してもね」
「じゃあ自分が殺されたら?」
一華は冷たい声で述べた。
「そんなこと思うなら」
「そうよね」
「そうしたらわかるわよ」
「自分が殺されたら」
「権力に反対するなら人殺してもいいんなら」
そう考えているならというのだ。
「自分が殺されてもでしょ」
「文句ないわよね」
「そうでしょ、というか殺された人の人生とか痛みとか」
そうしたことはというのだ。
「考えたら?」
「そんなの普通考えるでしょ」
富美子も嫌そうに言った。
「殺されたらどれだけ痛いか辛いか」
「そこで人生終わるし」
「どれだけとんでもないことか」
「わかるわよね」
「つまりあれでしょ」
富美子はかな恵に話した。
「自分は人の痛みや苦しみや悲しみもわからない」
「そう言ってるってことね」
「そしてわかるつもりもない」
「そう言ってるってことよね」
「そんな馬鹿生きる価値ないわよ」
怒った顔で語った。
「そこまでだと」
「馬鹿って言ったらそうよね」
「そいつが若し東大どころかオックスフォード首席でもよ」
富美子は東大よりもその大学の方が上だと思って言った、実際に世界の大学ランキングでは常にトップクラスである。
「馬鹿よ」
「学校の成績に関わらずね」
「馬鹿だっていうと」
それこそというのだ。
「これ以上ない位のね」
「馬鹿よね」
「かな恵も思うでしょ」
「ええ、人の痛みがわかってこそってね」
かな恵は富美子のその言葉に応えて言った。
「人間だってお母さんもね」
「おばさんも言ってるのね」
「そうよ、お祖母ちゃんもね」
「その通りよ、権力に反対してもよ」
「やっていいことと悪いことあるわよね」
「バイクを盗んでも駄目だし」
先の話の通りにだ。
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