高卒の何が問題か
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第二章
「貴方自身のことも聞いてるし」
「真面目で謙虚で思いやりがあるそうだな」
「それならよ」
「美穂は任せられる、学歴を言うとな」
ここでその話になった。
「鳥みたいな名前の総理大臣東大工学部卒業だ」
「そして東京工業大学で助教授だったのよ」
「それであれだ」
「貴方もあの人がどんな人かわかってますね」
「正直八条グループの何処でもです」
慶もその元総理について述べた。
「とても」
「そうだな、幾ら学歴があってもな」
「あんな人いるのよ」
「他にもあんな人間は大学に結構いるんだ」
「学歴は立派でもね」
慶が気にしているこのことはよくてもというのだ。
「私達大学にいるから」
「むしろそうした人をよく見てきたからな」
「美穂にも学歴を求めなくてね」
「真面目に働いたらそれでよかったんだ」
「それで真面目に働いてくれてるし」
「君もそうだからな」
だからだというのだ。
「これからも娘を宜しくな」
「大事にしてあげてね」
「私もあの人知ってるけれど」
美穂も慶の横で言った。
「高卒でもね」
「あそこまではそうはいないな」
「そうね」
「学校のお勉強は出来ても」
東大卒なのでそれは事実と言うしかないがというのだ。
「レベル的には最底辺高のさらに最底辺どころか」
「禁治産者だな」
「そこまでいくわね」
「プロ野球のコミッショナー以外無理でしょ」
それこそというのだ。
「間違えて支持する人がいたから総理大臣にまでなっても」
「親の地盤があってな」
「そうなれたけれどね」
「そういうことね、学歴じゃなくて」
「そうだ、その人だ」
「私達は大学でああした人達を見てきたから言うのよ」
娘にも言うのだった。
「学歴じゃないんだ」
「要はね」
「そうですか、じゃあ」
「高卒なんて関係ない」
「美穂と幸せになってね」
二人でまた慶に言った、とても優しい笑顔で。
そして慶は美穂と結婚してだった、幸せな家庭を築いたが。
「あの人またね」
「おかしなこと言ってるわね」
その元総理の話をネットで確認して眉を顰めさせた、そしてあらためて人間は学歴ではないと確信したのだった。
高卒の何が問題か 完
2022・12・19
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