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レーヴァティン

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第二百七十一話 調べ終えその七

「わしも」
「精神病院の話か」
「はい、老人ホームでなく」
「送る先はか」
「意地悪い方法として」 
 それでというのだ。
「精神病院に死ぬまで放り込む方法があるであります」
「そうした方法があるか」
「はい、ただその人は随分嫌われていたでありますな」
 留奈が今言った老婆はというのだ。
「お孫さんに精神病院に入れられるとは」
「自分以外の生きもの全てを徹底的に嫌うとなるとな」
「やはり相当嫌われているでありますな」
「自分以外の生きもの全てからな」
「行いも悪いでありますな」
「そうだな、家族としてもだ」
 英雄はまた言った。
「自分のこと以外のことを行ってだ」
「不平不満ばかりでは」
「仕事をさせたくない」
「そうでありますな」
「家族として暮らしていけない」
「どうせ働いていないであります」
 こうもだ、峰夫は話した。
「遊んでばかりで」
「そう言うな」
「そして何かすればしてやっている」
「それで好かる筈がない」
「嫌われて当然であります」
「そして自分以外の誰もをだ」
 自分以外の生きもの全てを忌み嫌うならというのだ、英雄はとりわけこのことを考えてそうして言うのだった。
「愛することがないならな」
「愛されないであります」
「忌み嫌われれてな」
「そう扱われるであります」
「大事にされるどころかだ」
 それとは逆にというのだ。
「否定される」
「自分以外を否定されるなら」
「そうなる」
「そうでありますな」
「世の中色々な人間がいるが」
 幸正も言ってきた。
「そんな奴もいるんだな」
「そうだな、婆さんと言うが」
「糞婆だな」 
 幸正は英雄に述べた。
「文字通りの」
「婆と言うからにはだ」
 英雄も言った。
「それなりに長く生きたが」
「その人生でだな」
「碌なことをしてこなかった」
「そんな婆だな」
「長く生きても全うでないならな」
「社会の屑だな」
「全くだ、そうはなりたくない」
 英雄はこうも言った。
「俺としては」
「大抵の人間がそう思うな」
「思わない筈がない」
「そうだな」
「真っ当に生きてこそだ」
 幸正も言うことだった。
「長く生きてな」
「価値があるな」
「人間は不完全で間違えることも多いが」
「間違えることしかしなくてな」
「悪行を重ね」
 そうしてというのだ。
「何もかもを嫌い」
「この世の全てから嫌われな」
「悪行の報いでだ」
 話を聞いての憶測だ、だが幸正はこう言った。 
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