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八条学園騒動記

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第六百七十八話 従姉と弟と三人でその三

「実際に食べて」
「まずいってだね」
「思ったのよ」
「それで連合一になったんだ」
「実際日本に来てお料理が全然違うでしょ」
「滅茶苦茶美味しいよ」
 シッドは従姉に応えた。
「最初食べてね」
「驚いたわよね」
「こんなに美味しいんだって」
 そこまでというのだ。
「思ったよ」
「そうよね」
「和食だけでもね」 
 日本の料理のジャンルの一つである、和食だけではないということがこの国の料理の幅の広さであるのだ。
「凄いからね」
「お刺身とか天麩羅とか」
「お味噌汁なんかね」
 シッドは言った。
「無茶苦茶美味しいよね」
「あんたお味噌汁大好きよね」
「あれ飲んだら」
 その味噌汁をというのだ。
「美味しいだけじゃなくすっきりするから」
「気分的にも」
「だからね」
 それでというのだ。
「僕もね」
「大好きね」
「納豆や塩辛は最初は抵抗があったけれど」
 こうした食べものはというのだ。
「今はね」
「普通に食べてるわね」
「洋食もね」
 こちらのジャンルの料理もというのだ。
「凄くね」
「美味しいわよね」
「ハンバーグとかナポリタンとかね」
 こうした料理がというのだ。
「とてもね」
「好きよね」
「うん、カナダにはね」
 あらためて自分達の国の話をした。
「どれもないからね」
「そうよね」
「海老フライだって」
 この料理もというのだ。
「ないからね」
「残念で」
「カナダ料理と言われても」
 カナダ人でもというのだ。
「これといってね」
「思いつかないのね」
「というかカナダのスパゲティって」
 シッドは暗い表情で話した。
「コシがないから」
「思い切り茹でていてね」
 そしてというのだ。
「アルデンテの発想がね」
「ないんだよね」
「そうなのよね」
「連合って味付けや火加減に五月蠅くて」
「麺やパスタの湯で加減にもだけれど」
「我が国だけはだよ」
 シッドは困った顔で述べた。 
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