八条学園騒動記
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第六百七十七話 虫になるその十三
「そうでした」
「それで実際にだったな」
「その様にして」
「殺してたな」
「神があの世で見分けられる」
セーラはここでこの言葉を出した。
「その様にです」
「十字軍は言ってたな」
「そしてです」
そのうえでだったのだ。
「誰彼なくです」
「殺してたな」
「そうでした」
「エウロパの連中らしい無茶苦茶な言い分だな」
タムタムはエウロパへの偏見を全開にして言った、フックもラビニアもそれにおかしいとは思わない。セーラは後ろに控えるラメダス、ベッキーと共にあえて異論は言わず聞いているだけにした。少なくとも今回は。
「本当に」
「それはな」
「その通りね」
そのフックとラビニアも頷いた。
「あいつ等らしいわ」
「宗教をすぐに殺戮に利用するな」
「連合じゃ絶対にないことね」
「宗教は人の心を救うものだからな」
「その通りだ、しかしあいつ等は違ってだ」
タムタムはさらに言った。
「やたら殺してな」
「それが共産主義にも及んで」
「物凄く殺してたわね」
「秘密警察までもうけて」
「無実の人でもね」
「そこにベリヤはいてだ」
タムタムはあらためてこの輩の名前を出した。
「そして恥も外聞もなくスターリンに取り入ってな」
「沢山の人を殺して」
「そして成り上がっていったのね」
「今もジョージアじゃ悪魔の様に言われてるそうだな」
歴史上の悪人とだ。
「そうらしいな」
「はい、それでなのですが」
セーラはここで再び口を開いて述べた。
「彼以前の秘密警察の長官達も」
「無実の人でも殺していたな」
「ですがそれは仕事としてで」
そのうえでというのだ。
「嬉々として行っていたか」
「私利私欲でか」
「それは違います」
セーラは否定した。
「初代のジェルジェンスキーも決してです」
「好き好んでか」
「しておらず」
粛清をというのだ。
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