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第四十三話 全く以て同感その一

                第四十三話  全く以て同感 
 理虹は留奈からその作品のことをスマートフォンで言われた、何時終わるのかと。理虹はわからないわよと返答してだった。
 同じ部屋でそれとは違う漫画を読んでいる妹に言った。
「今ハンター何とかのお話留奈としたけれど」
「連載再開したの?」
「いや、何時終わるのかってお兄さんとお話したらしいのよ」 
 姉は妹に話した。
「これがね」
「終わらないでしょ」
 妹はあっさりと答えた。
「あれじゃあ」
「描かないから」
「そうでしょ、未完のままでもね」
 それでもというのだ。
「仕方ないわよ、というかね」
「というか?」
「未完の作品もあるでしょ」
 残念ながらそうなっている作品はというのだ。
「作者さんが描けなくなっているか」
「お亡くなりになったかで」
「ラノベでもあるでしょ」
「ええ、作者さんお亡くなりになっても続き書いてくれる人がいたりするけれど」
 漫画だと描くになる。
「どうしてもね、人間の一生ってわからないから」
「そうでしょ」
「よく未完の大作とか言うしね」
「有名な作家さんでもあるでしょ」
「夏目漱石さんでもね」
 この近代日本を代表する文豪にもそうした作品が存在しているのだ。理虹は学校で習ったことをそのまま話した。
「明暗とかね」
「その作品未完なのね」
「もうすぐ終わるって時に」
 まさにその時にであったのだ。
「漱石さんお亡くなりになったから」
「急死だったのね」
「胃潰瘍なのに」
 彼の持病の一つであった、他には鬱病やヒステリーそれに糖尿病といった病気を抱えていたことで知られている。
「ピーナッツ食べ過ぎてね」
「それまずいでしょ」
「だからね」
「お亡くなりになったのね」
「滅茶苦茶消化に悪いからね」
 ピーナッツはその固さ故にそうであるのだ。
「それを食べ過ぎて」
「胃にきて」
「かなり胃の中で血が流れたらしいから」
「それでなのね」
「急死したのよ」
「残念な死に方ね」
「そうよね、今だとね」
 この時代に漱石が生きていると、というのだ。
「絶対にドクターストップよ」
「それかかってたのね」
「それで固いものは駄目だったわ」
「ピーナッツなんてもっての他よね」
「絶対にね、それで漱石さんにもね」
 理虹はあらためて言った。
「未完の作品あるわよ」
「そうよね、そうしたことも考えると」
「あの作品はなの」
「冗談抜きにね」
 わりかし真顔で話した。
「未完もね」
「あるのね」
「作者さんに何かあったら」
 それでというのだ。
「作品はピンチに陥るでしょ」
「ゴルゴ何とかは続いたけれど」
「そうした作品があるけれどね」
 それでもというのだ。 
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