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ハッピークローバー

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第四十二話 カレーライスを食べてその十三

「いざって時に身体壊すぞ」
「だから寝ることね」
「忙しくてもな、ただな」
「ただ?」
「漫画家の話したけどずっと描いてない人いるだろ」
 兄はここで不機嫌な顔になって話した。
「誰とは言わないけれどな」
「誰ヨ」
「あの人だよ、ハンターの」
「ああ、あの人ね」 
 留奈もそれでわかった、はっとなった後で怒って言った。
「ふざけてるの、あの人」
「全然描かないな」
「だから仕事しろって言われるんだよ」
「ネットでね」
「週刊連載でな」 
 一応そうなっている。
「一年で十回載ったら凄いだろ」
「というか連載再開の度にネットで話題になるし」
「あそこまで仕事しないで寝ないとか言ったらな」
「皆怒るわね」
「せめて連載を終わらせてな」
 そうしてというのだ。
「それからだろ」
「寝ない人生送るべきね」
「ああ、あの人ゲームばかりしてな」 
 そうしていると言われている。
「机に向かわないらしいからな」
「酷い仕事のスタイルね」
「そんなのだからな」
「皆に仕事しろって言われるのね」
「そうだ、というかあの仕事ぶりだとな」
 兄は怒った口調で話した。
「半日どころじゃないだろ」
「寝られる時間は」
「その奥さん寝てる時間以外はな」
「ちゃんと家事とかパートしてるからな」
「起きてる間はずっと働いたりしてるのね」
「立派だろ」
「ええ、それを考えたら」
 留奈は真顔で言った。
「あの漫画家さんはね」
「仕事しろだな」
「そうよね」
「ああなったらな」
「人間どうかってなるわね」
「下書き載せたりとかな」
 漫画家として絶対に行ってはならないことの一つだと言われているが極稀に起こってしまうことである。
「あったな」
「それでファンの人怒ったのよね」
「漫画界の大御所さんとかな」
 課長から相談役まで描いているそちらの漫画の巨匠である。
「怒ったよ」
「そうなるわよね」
「幾ら何でもな」
「下書き載せるってないわよね」
「落ちるのも駄目だけれどな」
 これもというのだ。
「それと同じだけな」
「下書きで載せることも」
「駄目だよ」
「どっちもよね」
「ああ、あの人昔はな」
 デビューした頃や出世作を描いていた頃はだ。 
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