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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十一話 鱗、襲撃を受けるのことその四

「補給もです」
「御飯に武器も」
「はい、それを忘れてはどうしようもありません」
「そうよね。お腹が空いたらね」
「赤壁は国の中での戦いでしたから然程問題にはなりませんでした」
「けれど次の戦いは国の外で行うものだから」
「そこが問題になります」
「補給路の確保もです」
「それも忘れないようにしましょう」
 孔明と鳳統も言う。補給について。
「さもなければそこを衝かれて敗北です」
「只でさえそうした行動が得意な相手ですし」
「そうそう、何しろ急に出て来るからね」
 馬岱もこれまでの戦いで相手のことが熟知していた。
 だからこそだ。彼女は今言うのだった。
「補給路だって注意しないと」
「万全に万全を期してです」
「そのうえで決戦に向かいましょう」
「そうね。負ければ二つの世界が崩壊させられるからね」
 劉備もだ。強い顔で軍師達の言葉に応える。
 そしてだ。こう命じたのだった。
「ではあらゆる準備をお願いします」
「最後の戦いに勝つ為にも」
「その為にも」
 孔明達もだ。今は強い顔になっていた。気弱な彼女達だが今はだった。彼女達の最大限の強さを見せてだ。そのうえで劉備の命令に応えたのである。
 劉備達が決戦の用意を進める中でだ。都の北からだ。不穏な気配が漂ってきていた。
 最初にそれに気付いたのはミナだった。彼はその北の方を見て言うのだった。
「来たわ」
「来た!?まさかと思うけれど」
「連中なの!?」
「間違いないわ」
 こうだ。ミナはマリーと舞に答える。
「彼等が。また来るわ」
「数はどの位かしら」
「全軍!?奴等の」
「数は数人程度よ」
 それ位しかいないとだ。ミナは答える。
「けれど。それぞれの力はかなりのものね」
「じゃああれね」
「オロチやそうした連中ね」
「間違いないわ」
 他ならぬだ。敵の領袖達が来たというのだ。
「散発的に攻めて来るつもりね」
「相変わらず戦いの前から仕掛けて来る奴等ね」
 マリーはミナの言葉を聞いてからだ。
 そのうえでだ。呆れながら、幾分感心しながら言ったのだった。
「ゲリラが好きね、本当に」
「そうね。もうやり方がわかってきたわね」
 舞もいささか呆れた様な笑みになっている。
「それじゃあよね」
「迎え撃つだけね」
「結界は張ってあるわ。都全体に」
 ミナは彼等の妖術についての話をした。
「だから落雷が来ても」
「大丈夫ね。そうした妖術に対しては」
「それなら安心して戦えるわね」
「ええ。それじゃあ」
 ミナが言いだ。そのうえでだ。戦士達のうち何人かが動いた。
 鱗もその中にいた。彼は仲間達と共に都を出てだ。夜の平原を進みながら言った。
「間違いない、奴だ」
「貴殿の同胞のか」
「そうだ。あの裏切り者だ」
 こうだ。隣を進む大門に答えたのである。
「あいつが来た」
「この気配の主か」
「感じるか、貴様も」
「うむ、感じる」
 まさにその通りだとだ。大門は細い目のままで述べる。
 
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