恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十一話 鱗、襲撃を受けるのことその三
「そして歩兵の人達はです」
「弓、それにです」
「弩もです」
「それも持って行きましょう」
「弩っていうと」
その武器の名を聞いてだ。劉備はこう言った。
「朱里ちゃん凄い弩を開発したわよね」
「連弩ですね」
「そう、それ」
「はい、それも持って行きます」
それもだというのだ。持って行くとだ。
「そしてそのうえで、です」
「決戦を挑むのね」
「あれを持って行くとかなり違います」
孔明は少しだけ自信のある声で劉備に話す。
「ですから是非にです」
「あれも持って行きましょう」
「そうよね。とにかく勝たないといけないから」
だからこそだ。余計にだというのだ。
そしてだ。馬岱もここで言う。
「騎兵も弓使うからね」
「ううん、本当に弓ばかりになるわね」
「矢は充分あります」
「今も昼夜兼行で作っています」
孔明と鳳統はその矢について話す。
「ですからどれだけ使っても大丈夫です」
「そのことについて抜かりはありません」
「そう。じゃあ使う分にはいいわね」
矢のことについてはだ。劉備も納得して頷く。
しかしだ。ここでだ。彼女達のところにだ。
徐庶が来てだ。こう言ったのである。
「確かに騎兵と弓、弩はいいけれど」
「他になの?」
「他にも必要なの」
「ええ、そう思うわ」
こうだ。徐庶は孔明と鳳統に言ったのである。
「だから。他には」
「黄里ちゃん、何かいい考えあるの?」
「勝つ為に必要なのは他には」
「落とし穴はどうかしら」
徐庶が出すのはこれだった。
「それを陣の前に置いておくのはどうかしら」
「ううん、それもいいわね」
「馬の足を止めるには」
「そうよね。ただ落とし穴を用意するにはね」
ここでその落とし穴の問題点がだ。徐庶自身が指摘した。
「手間がかかるし。相手に見破られたら元も子もないから」
「ううん、相手は勘のいい方ばかりですし」
「それに偵察も得意ですから」
「黄里ちゃんの言う通りよね」
「そこが問題になるわ」
「そうなのよね」
困った顔でだ。徐庶は自分からまた言った。
「だから。もう最初から見える落とし穴を考えてるの」
「堀ね」
「それを陣の前に置くのね」
「これならどうかしら」
徐庶はあらためて孔明達に尋ねる。そして劉備にも。
「桃香様もどう思われますか?」
「そうね。馬の足を止めるにはいいわね」
劉備もだ。徐庶のその案に頷く。そのうえでだ。
徐庶はだ。今度はこれを提案したのである。
「あと。丸太ですね」
「丸太!?」
「はい、丸太の先を削って尖らせたものを用意します」
それをだというのだ。
「そしてそれを敵の騎兵が来た時に前に突き出します」
「あっ、それ凄く利くわよ」
騎兵をよく知っている馬岱がだ。驚いた顔になって徐庶の提案に頷く。
「馬って中々止まらないからね」
「そう。それを考えてなの」
「うん、騎兵って先頭が躓くと後にも続くから」
「余計にいいわよね」
「いい手よ」
馬岱は笑顔になって徐庶に話す。
「お堀とその二つで完璧よ」
「有り難う。じゃあこの二つを合わせて」
劉備に顔を向けてだ。彼女にも言うのだった。
「それで宜しいでしょうか」
「何か凄いことになってきてない?」
劉備はややきょとんとした顔になって徐庶に返した。
「騎兵に弓、弩だけじゃなくなってきて」
「手は打てるだけのものを打たないといけません」
軍師として当然の言葉だった。
「だからこそです」
「そうなるのね、やっぱり」
「はい、ですから」
「わかったわ。黄里ちゃんのその案もね」
いいとだ。笑顔で答える劉備だった。
「勝たないといけないから」
「はい、敗北はこの世界とあの世界の崩壊です」
「そうなりますから」
「絶対に勝たないといけないです」
軍師三人は同時に劉備に話した。
「だからこそ打つ手は全て打って」
「そのうえで決戦に挑みましょう」
「それにです」
徐庶が次に言うことはというと。
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