イベリス
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第七十六話 狭いが多彩な街その五
「それで逆にね」
「努力しない人はそのままなのね」
「ゼロのままよ」
「そうなってどんどんよくなっていく人を妬むのね」
「こんな嫌なことないから」
愛は咲に話した。
「私も咲ちゃんもね」
「努力することね」
「その中で色々なことがわかって」
愛はさらに話した。
「大事なことがね」
「それで人間としてもなの」
「よくなるのね」
「色々な本も読んで」
そうもしてというのだ。
「文学とかもね」
「それもいいのね」
「そうよ、色々努力したら」
「他のこともわかって」
「よくなるから」
だからだというのだ。
「努力していくことよ」
「お勉強にアルバイトに」
「その両方でね」
それでというのだ。
「頑張っていってね、それで色々な小説や漫画も読んでね」
「そちらも努力ね」
「そうよ、ただ本を読んでも」
例えそうしてもというのだ。
「どうもそれだけじゃね」
「駄目なのね」
「世の中のことをちゃんと知って」
そうしてというのだ。
「ただ知識を得てそれで自分は偉いとかね」
「さっきお話した人みたいに」
「思わない方がいいみたいよ」
「本を読んでもなのね」
「そうもしてね」
愛はさらに話した。
「咲ちゃんみたいにお勉強もアルバイトもよ」
「していくことね」
「あとどうなっても自分が偉いとはね」
「思わないことね」
「人間天狗になったらそれまでよ」
まさにその時点でというのだ。
「だからね」
「何か果たしても偉いと思わず」
「努力を続けることよ、時々休みもして」
そしてというのだ。
「英気も養って」
「そのうえで」
「努力していけばいいのよ、まあ私もそう言っても」
ここで藍は少し苦笑いになって述べた。
「私はこんなものだから」
「大したことないの」
「そうよ」
人間としてというのだ。
「全くね」
「そうかしら、私から見ればね」
「いやいや、立派じゃないでしょ」
愛は咲の言葉に笑って返した。
「全くね」
「面倒見がよくて優しくて色々教えてくれる」
「従姉のお姉ちゃんっていうの」
「ええ」
その通りだとだ、咲は答えた。
「だからね」
「立派なの」
「私から見たら」
「全くよ、失敗ばかりするし」
愛は咲の確かな言葉に笑って否定して言葉を返した。
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