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ハッピークローバー

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第四十二話 カレーライスを食べてその九

「要するにね」
「そう言われるとわかりやすいわね」
「政治家はその人を見て支持する人達もよ」
「見るといいの」
「そのうえで選挙に行くのよ」
「そしておかしな人を当選させない」
「それも大事よ、だから留奈も大人になったら」
 選挙権を得られればというのだ。
「行きなさいね」
「おかしな人を当選させない為にも」
「それがそのまま日本の為だからね」
「私達も困らないわね」
「ええ、あと何をするにも暴力は駄目よ」  
 留奈にこうも言った。
「わかるでしょ」
「革命とか言って」
「まして日本は選挙があるし」
「暴力振るう必要ないわね」
「投票すればいいのよ」
 今言った通りにというのだ。
「それだけだから」
「暴れることもなくて」
「殺し合うこともね」
「ないわよね」
「そうよ、自分達が正しいから何をしてもいいか」
 暴力を振るってもというのだ。
「そうはならないでしょ」
「そうよね」
「テロで無関係な人を巻き込んでいいか」
「なる筈ないわね」
「正しいことをしているから暴走してもいいという主張もね」
 これもというのだ。
「ならないのよ」
「暴走したら駄目ね」
「もうその時点で正しくないのよ」
 そうなるというのだ。
「暴れたりしたら」
「暴力を振るったら」
「その時点でね」
「正しいと思っていても」
「自分がそう思っていてもよ」
「他の人が見たらそうとは限らないわね」
「そうしたこともわかっておいてね」
「ええ、何か今日色々とお話したわね」 
 留奈は母とここまで話してしみじみと思った。
「晩ご飯のお手伝いと思ったら」
「そうね、こんなこともあるのよ」
「そうなの」
「生きていたらね」
 そうしていると、というのだ。
「思わぬことがよ」
「起こったりするの」
「お話することもね」
 このこともというのだ。
「あるのよ」
「そうなのね」
「それが人生よ」
「思わぬことが起こることも」
「そうよ、それがいいことでも悪いことでもね」
「今のはいいことかしら」
 留奈は考えながら言った。
「そうなる?」
「留奈がそう思うならそうよ」
「いいことなのね」
「お母さんも悪いこと言ったつもりないし」
 話した方もというのだ。
「いいことと思ってくれたら嬉しいわ」
「選挙のこととか暴力のこととか」
「何かとね、食べることについても」
 こちらのこともというのだ。
「覚えておいてね」
「それがはじまりだったし」
「ええ、バランスよく沢山よ」
「食べることね」
「よく食べてこそ」
 まさにというのだ。 
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