レーヴァティン
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第二百六十七話 西に帰りその六
「あまりな」
「飯はよくないか」
「そうなんだよ、けれど今言った通りな」
「ちゃんと作ればか」
「いいぜ、あとジャガイモに何かあってもな」
英雄はそうなった時も話した、ジャガイモも作物であり病気それも流行するものにかかってしまう時もあるのだ。
「その時はな」
「しっかりと政を行ってだな」
「助けるな」
その様にするというのだ。
「ジャガイモがなくてもな」
「麦があるな」
「小麦それに大麦がな」
「そちらを民に食わせるな」
「ああ、逆の場合もな」
麦が凶作等になった場合もというのだ。
「ちゃんとな」
「そうするな」
「さもないと食いものがなくてな」
「民が餓える」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「絶対にだよ」
「そんなことはしないな」
「民を餓えさせる奴がどうして世界を救えるんだよ」
久志は強い声で言い返した。
「そうだろ」
「俺も同じ考えだ」
「そうだろ、だからな」
「餓えさせはしないな」
「そんなことにならない様にしてるさ」
最初からというのだ。
「だから麦にジャガイモにな」
「玉蜀黍もあったな」
「そうしたものを作らせてな」
そのうえでというのだ。
「食わせてるんだよ」
「それこそが政だな」
「間違っても民を餓えさせて俺達だけいつもたらふく食うとかな」
「そんなことはさせないな」
「間違ってもな、あと米もな」
この作物もというのだ。
「作らせていただろ」
「ナイル川の方でな」
「半島でもね」
「陸稲もあったな」
「それで食わせてるさ」
「まず餓えさせないことだな」
「ああ」
まさにというのだ。
「そのことをな」
「念頭に置いてだな」
「治めてるさ、お前もだろ」
久志は英雄に陽気に聞いてきた。
「そうだろ」
「民を餓えさせないことだな」
「東の浮島見たけれどな」
それでもと言うのだった。
「こっちに負けない位豊かだったからな」
「そこからか」
「民は餓えてないってな」
その様にというのだ。
「わかったぜ」
「米にだ」
英雄も答えた。
「麦、蕎麦にだ」
「薩摩芋多かったな」
「そちらはジャガイモだが」
「芋はな」
「こちらは薩摩芋だ」
この芋だというのだ。
「それを多く作らせてだ」
「民に食わせてるんだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
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