イベリス
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第七十四話 東京を巡ることその一
第七十四話 東京を巡ること
この咲はアルバイトを終えて家に帰る為に電車に乗ろうとしていた、それで渋谷駅に来たところでだった。
愛とばったりと会った、愛は咲を見て驚いた顔になったがそれは咲も同じで彼女の方から先に言った。
「お姉ちゃん原宿じゃなかったの」
「いや、アルバイト終わってね」
愛は咲に落ち着きを取り戻した顔で答えた。
「それで渋谷に来てたの」
「そうだったの」
「遊びにね」
「そうだったのね」
「最近東京の色々な場所巡ってるのよ」
愛は咲に話した。
「そうしてるの」
「またどうして?」
「東京ってそんなに広くないのに色々な場所あるわね」
「それはね」
咲もその通りだと答えた。
「言うなら区一つ一つ違うわ」
「もっと言えば同じ区でも違ったりするわね」
「その場合もあるわね」
「山手線も駅を一つ違えれば」
そうすればというのだ。
「別の街みたいでしょ」
「そうよね」
「そういうところだから」
それでというのだ。
「今はね」
「一つ一つなのね」
「行ってみてるの」
「そうしてるのね」
「東京のそれぞれの場所の違いを見て」
そうしてというのだ。
「勉強していってるの」
「東京の」
「歴史とか文化とか遊びとかね」
そうしたことをというのだ。
「学べるわよ、文学だってね」
これもというのだ。
「学べるわよ」
「何でも学べるのね」
「国会議事堂だってあるのよ」
東京にはというのだ。
「それで首相官邸に皇居だってね」
「日本の中心ね」
「そうした場所も見られるし玉川上水なんてね」
「太宰治が自殺してますね」
「心中してるわね」
「そうでしたね」
「東京ドームや神宮球場にもね」
野球場にというのだ。
「行けるし」
「本当に色々ね」
「行けるから」
だからだというのだ。
「いいのよ、芸能事務所とかも見られるし」
「タレントさんの」
「声優さんの事務所だってあるのよ」
「色々あるわね」
「そうした場所も見られるしそれにね」
愛はさらに話した、二人で渋谷駅に入りその中の自動販売機の前でそれぞれペットボトルのお茶を飲みつつ話している。
「定期あるから」
「あっ、何処でも行けるわね」
「そうよ、定期があったらね」
それならとだ、愛は咲に笑って話した。
「その範囲内なら期限内はね」
「乗り放題ね」
「だからね」
「何処でも自由に行けるのね」
「東京のかなりの部分にね」
「お姉ちゃんのお家から大学だとそうよね」
「咲ちゃんもでしょ」
咲にこうも言った。
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