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オズのボームさん

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第七幕その一

                第七幕  壁も歩いて
 皆で歴史の本の整頓を続けています、階は徐々にですが次第に奇麗になってきています。それは天井も同じで。
 ボームさんは天井を魔法の道具の力で歩きながら皆に言いました。
「うん、これでね」
「随分奇麗になったね」 
 シャングリラを拭いているモジャボロが応えました。
「天井も」
「そうだね、こうして魔法の道具も使えばね」
「お掃除も楽だね」
「そして楽しくなるね」
「全くだよ、魔法を使えば」
 モジャボロはボームさんににこりとして答えました。
「あらゆることがもっともっと楽しくなるよ」
「そうだね」
「オズの国は何でも楽しく出来る国だけれどね」
「魔法を使うとね」
「尚更だよ」 
 それこそというのです。
「楽しくなるよ」
「全くだね」
「言うならば魔法は調味料だね」
 魔法使いはこう言いました、天井にワックスをかけながら。
「お料理を味付けしてね」
「より美味しくするものだね」
「私は今そう思ったけれどどうかな」
「そうだね」 
 ボームさんもそれはと頷きます。
「言われてみるとね」
「まさにそうだね」
「うん」
 ボームさんは笑顔で答えました。
「そう思うよ」
「全くだね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「いや、オズの国は魔法だけじゃないね」
 この国にあるものはというのです。
「ありとあらゆる不思議があるね」
「この国にはあらゆる不思議があるよ」
 ムシノスケ教授は拭き掃除をしつつ言いました、拭き掃除をした後でワックスをかけてもっと奇麗にしているのです。
「お伽の国だけあってね」
「それでだね」
「魔法があってね」 
 そうしてというのです。
「他の不思議もだよ」
「あるね」
「科学もそうだし」
 それにというのです。
「他の不思議もね」
「あるね」
「そう、だからね」
「調味料もだね」
「魔法だけじゃないよ」
「他のものもあるね」
「一杯ね」
「オズの国は調味料の宝庫なんだね」
 モジャボロの弟さんはシャングリラを拭きつつ言いました。
「つまりは」
「そうだね」
 ボームさんは弟さんにも応えました。
「言うならば」
「その通りだね」
「うん、僕が最初に知った時から不思議で一杯だったけれど」
「今はね」
「あの頃より遥かにだよ」
「不思議に満ちているね」
「こんな不思議な国はないよ」
 こうまで言うのでした。 
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