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レーヴァティン

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第二百六十四話 神託に頼るその十五

「こちらでもな」
「すき焼きも他のものもか」
「味付けはな」
「関西なんだな」
「醤油は薄口だ」
 こちらのことも話した。
「それだ、そして蕎麦はな」
「噛むな」
「喉越しを味わうことはな」
 そうして食べることはというのだ。
「しない」
「本当に関西だな」
「産まれも育ちもだからな」
 それ故にというのだ。
「俺はな」
「そうしているか」
「まさにな」
「そうか、俺と一緒だな」
「お前もか」
「ああ、俺も関西生まれでな」
 それでというのだ。
「育ちもな」
「関西だからか」
「だからな」
「醤油は薄口醤油でか」
「それでだよ」
「他の味付けもだな」
「関西なんだよ」
 そうだというのだ。
「そこは同じだな」
「そうだな、ではな」
「そっちの浮島に来た時にはか」
「お前には薄口醤油の味付けで食わせてやる」
「宜しく頼むな」
「俺も同じだ、気にするな」
 英雄は冷静な声で答えた。
「それはな」
「だからいいか」
「そうだ、ではな」
「ああ、その時はまた宜しくな」
 こうした話をしてだった。
 二人で何かと話した、そうしてこれからのことも決めていった。信託の前にも行うべきことはあった。


第二百六十四話   完


                 2022・7・1 
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