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レーヴァティン

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第二百六十四話 神託に頼るその九

「そんなこと言う奴はいないな」
「死刑賛成を言うなら馬鹿と言った奴が起きた世界にいたが」
 小説家であり僧侶であった者だ、尼僧であったがその人生を見るとどうにも欲が多くかつ生臭いものがある。
「重罪人に飯をやりな」
「牢に入れて服をやるだけでもな」
「どれだけの税がかかるか」
「そしてそいつが何をしたか」
「そうしたことをだ」
「考えて言えって言いたいな」
「俺はな、例えば四人強盗強姦殺人をした奴がだ」
 英雄は例えとしてこうした輩の話をした。
「未成年でも果たして更正してだ」
「それもないよな」
「そしてそいつ一人にどれだけの税がかかるか」
「そこも考えて言えだよな」
「例え未成年でもだ」 
 英雄は再びこのことを指摘した。
「死罪にしないとだ」
「殺された人達も浮かばれないよな」
「時には裁判員達が死刑を決めてもだ」
 これも戦後日本であったケースである。
「裁判官が覆してだ」
「その屑を税金でずっと養うことが決まったな」
「殺された人の遺族は殺され損でな」
「泣いているな」
「そんな馬鹿なことがあってたまるか」
 英雄は強い声で言った。
「だからだ」
「お前はこれからも死罪を出していくな」
「屑には容赦なくな」
「俺もそうしてるしな、屑はな」 
 久志もこう言った。
「更正なんてしないしな」
「人を何人も殺す様だとな」
「しかも嗤いながらだとな」
「そんなことがあるか」
「それで税金もかかる」
「ならだ」
「死罪にしないとな」
 それこそというのだ。
「本当にな」
「全くだ、そうしたことも政だ」
 英雄は言い切った。
「しっかりとやっていかないとな」
「そうだな、そして俺達の政の目的の一つはな」
「そうだ、海の魔神を倒すことだからな」
「そろそろだな」
「神託を伺っていこう」
「お互いにな」
「俺達は朝廷に赴く」
 東の浮島のそちらにというのだ。
「そうする」
「じゃあ俺達はな」
 久志も言った。 
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