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住み込みは困る

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第一章

                住み込みは困る
 横溝清四郎高校生で卵型の顔で丸い目が特徴的なあどけない顔立ちに黒髪をショートにしている一七二位の背で痩せた彼は今困っていた。
 それでだ、父の藤一郎自分が太って歳を取った風な外見の彼と母の綾子黒髪を短いパーマにして肉付きがよく明るい顔立ちの小柄な彼女に言った。
「あの、麗子さんだけれど」
「どうしたんだ?」
「あの娘に何かあったの?」
「大学に通っている間ずっとなんだ」
 父の知り合いの娘で大学生で住み込みで一家で経営している喫茶店のウエイトレスをしている彼女のことを話した。背は一六二位でウエーブをかけた黒髪を長く伸ばし大人びた顔立ちである。そして胸は九十あり全体的にスタイルがいい。年齢は清四郎より二つ上である。
「うちにいるんだ」
「当たり前だろ」
「そうしたお話でしょ」
 両親は当然といった態度で答えた。
「働いてもらってるしな」
「しかも家事まで手伝ってくれるし」
「凄くいい人じゃないか」
「ずっとうちにいて欲しい位だよ」
「けれどさ」
 空いている部屋を一つ借りている彼女のことをさらに話した。
「何ていうか」
「ああ、別に付き合ってもいいぞ」
「あんたが麗子さんとね」
「ただ変なことはするなよ」
「女の人は大切によ」
「いや、それは」 
 実は気になって仕方ないことを言われて赤面して言い返した。彼女が通っている大学のすぐ傍にある自宅兼喫茶店に来てから実はそうなっているのだ。
 お風呂上がりの姿にラフな部屋着大学に行く時のお洒落な服装に店内のウェイトレス姿に寝る前のパジャマ姿にとだ。
 清四郎は何かと気になって仕方がない、それで今も言ったし両親に図星を言い返されて戸惑って言うのだった。
「その、けれど」
「あのな、麗子さんさえよかったらな」
「あんたも言えばいいのよ」
「無理強いはしなかったらな」
「私達も言わないわよ」
「そういうのじゃないんだよ」
 清四郎は苦しそうに言った、だがそれ以上は言えず。
 それでだ、ずっと麗子を見てだった。
 気になって仕方がない悶々とした日々を過ごしていた。その中で。
 営業日の午後両親は仕事の話で店を開けた、それでだった。
 清四郎は店番をした、そして麗子も一緒だったが。
 ここでだ、彼はウエイトレス姿で接客やテーブル拭きをする彼女を注文が来たコーヒーや紅茶を淹れつつ見ていたが。
 客がいなくなったところでだ、麗子はカウンターにいる清四郎に言ってきた。
「清四郎君が淹れたコーヒーと紅茶評判いいみたいね」
「まあ子供の頃からやってるからね」
 清四郎は自分のところに来た彼女にどきりとしながら応えた。
「だからね」
「それでなの」
「親父程じゃなくても」
 それでもというのだ。
「腕にはね」
「自信があるのね」
「将来これで食べていくし」
「そうなのね」
「何なら飲む?紅茶実は余ってるんだ」
 清四郎は褒められて機嫌がよくなって話した。
「二人で」
「いいの?」
「いいよ、よかったらね」
「それじゃあ」 
 麗子も応えた、そうしてだった。
 カウンターの席の一つに座ってだった。 
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