イベリス
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第七十一話 神仏を感じてその七
「そうした人を見たので」
「否定されてるんですね」
「そうしています、自分の力だけで生きると言って」
神やそうした存在をだ。
「その愚かさでは」
「どうしようもないですね」
「その果てが基地の前で騒いでいるだけです」
「毎日ですね」
「どうして生活費を得ているか知りませんが」
「そこも気になりますね」
「ああはなりたくないです」
絶対に、そうした言葉だった。
「まことに、ですから」
「それで、ですね」
「私は無神論を否定していて」
「神仏をですね」
「信じています」
「そうしたお考えですか」
「そうなのです、人はです」
まさにというのだ。
「弱く小さいもので」
「神仏は大きいですね」
「偉大です」
「人間なんか比べものにもならないですか」
「まことに、人間なぞです」
それこそというのだ。
「神仏と比べるとどれだけ小さいか」
「どんな人でもですね」
「神仏の前にはです」
「小さいんですね」
「米粒の様なものでしょう」
こう言うのだった。
「誰であっても」
「じゃあ今お話したみたいな人は」
「やはり米粒です」
「米粒みたいなのに自分の力だけで生きていくとか」
「出来ませんね」
「そうですね」
咲もそれはと頷いた。
「とても」
「それが現実です、人間の力はです」
「小さいんですね」
「まことに米粒で」
「何でもないんですね」
「ですから若し自分がこの世で一番偉いと思うなら」
それならというのだ。
「とんでもない勘違いです」
「人間は小さなものなので」
「神仏と比べるとです」
それこそというのだ。
「ちっぽけなものです」
「そのことは自覚すべきですね」
「そうです、人間はまことに小さく」
そしてというのだ。
「何でもないものです」
「それが人間ですね」
「如何に凄いことをしても」
それでもというのだ。
「神仏と比べると」
「何でもないですか」
「そうです、神仏の力はです」
「物凄いものなんですね」
「この世を司るまでです、イスラム教は特にそう教えていますね」
「そうですね」
咲もそれはと頷いた。
「あの宗教は神様が凄く大きくて」
「アッラーが」
「それで、ですね」
「アッラーの前ではです」
唯一の神とされるこの存在の前ではというのだ。
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