イベリス
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第七十一話 神仏を感じてその六
「世襲はないですよね」
「絶対に、高官の子弟が権力を握ることはあっても」
ソ連等でもあったことだ。
「しかし世襲ではです」
「なかったですね」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「北朝鮮はありました」
「その時点でおかしいですね」
「国家元首もです」
「あの将軍様ですね」
「尚且つ階級社会です」
共産主義は階級を否定しているがだ。
「他にも先軍政治や飢餓とです」
「無茶苦茶ですよね」
「ですが国民が支持しているそうで」
「あちらのですか、言わされてるだけですよね」
「その通りです、子供でもわかることです」
あの国のこうしたことはというのだ。
「最早。ですが」
「それでもですか」
「そう言って北朝鮮はよく」
「日本の皇室は反対なんですね」
「こちらはおそらくですが」
速水は自分の予想を述べた。
「国民が支持していないので」
「沢山の人が支持していませんか?」
「自分がしていないので」
「いや、自分がそうでも」
咲は眉を顰めさせて答えた。
「それでも」
「そう考えるのが普通ですが」
「その人はですか」
「そう言ってです」
そしてというのだ。
「日本の皇室を否定し続け」
「北朝鮮はいい、ですね」
「そう言っていました」
「絶対にまともに生きていけないですね」
咲はそれはと述べた。
「その人は」
「愚かですね」
「はい、あまりにもです」
それはというのだ。
「そうした無神論の人を見たので」
「無神論はですか」
「かなり否定的です」
「そうした人を見て」
「そうです、今この人はどうしているか」
「どうしていますか?」
「沖縄に行ってです」
そうしてというのだ。
「毎日基地の前で騒いでいるそうです」
「運動家ですか」
「はい、そうなっているそうです」
「まともに生きていけないと思ったら」
「実際にです」
まさにというのだ。
「そうなっていました」
「そうなんですね」
「そうした人を見てきましたので」
だからだというのだ。
「まことにです」
「無神論はお嫌いですか」
「はい、嫌いというか」
速水は咲に言葉を選びつつ述べた。
「否定しています」
「嫌いと否定は違うんですね」
「その場合もあります」
時としてというのだ。
「そしてこの場合はです」
「違うんですね」
「無神論者全てがそうではないと思いますが」
それでもというのだ。
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