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ハッピークローバー

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第三十九話 合コンが終わってその六

「私はしっかり歩けるけれどね」
「そうか?」
「ええ、そこは安心してね」
「いや、履いているのがな」 
 富美子のサンダル、やや高いそれを見てだ。越智は言った。
「それで酔っていたら大丈夫か」
「大丈夫大丈夫」
「そうは思わないからな」
「だからなの」
「しっかり送っていくしな」
 そうするし、というのだ。
「安心してくれ」
「悪いわね」
「ああ、ただ前から思っていたんだが」
「どうしたの?」
「女の子の履くサンダルは大丈夫か」 
 越智は富美子が履いているそれを見て話した、見ればかな恵もサンダルであり足の指も爪も見えている。
「ヒールはあるし足首も爪も丸出しだが」
「ああ、バランス崩したり踏まれたり」
「そうならないか」
「それ実は怖いのよ」
 富美子は正直に話した。
「靴と比べるとね」
「危ないな」
「靴だったら足をちゃんと守ってくれるからね」
「そうだな」
「お肌も爪もね」
「しかもヒールも高くないしな」
 越智はこのことも話した。
「安心して歩けるな」
「靴の方が走りやすいしね」
「実際ハイヒールなんて滅茶苦茶歩きにくいわよね」
 一華はどうかという顔で言った。
「私履いたことないけれど」
「ないんだ」
「いつもシューズか革靴よ」
 こう達川に答えた。
「履いてるのはね」
「そうなんだ」
「ええ、お母さんもあまり履かないし」 
 ハイヒールはというのだ。
「私もね」
「履いたことないんだ」
「あれこけるでしょ」
 一華はこの心配も話した。
「普通に。あと先細いから外反母趾にもなるでしょ」
「その心配もあるんだ」
「あんなの履きたくないわ」
「そこまで嫌なんだ」
「かなりね、社会人になったら」
 一華は将来のことを話した。
「どうしても」
「履くよ」
「OLさんなんかそうよね」
「革靴とかじゃ駄目だよ」
「そうよね。何かハイヒールのピンって折れやすいっていうし」
 一華はこのことも話した。
「どうもね」
「不安なんだ」
「かなりね」
 自分の思うことを否定せずありのまま話した。
「本当に。ただ」
「それでもね」
「やっぱり将来はね」
「履くことになるよ」
「お洒落でも嫌なのに」
 見れば今一華はシューズを履いている、ラフでカジュアルなファッションには似合っているがいささかボーイッシュに見える。
「お仕事をしたら」
「履くよ」
「革靴でいいじゃない」
 一華は強い声で話した。 
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