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星河の覇皇

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第八十二部第二章 国債その十七

「ティムールから降伏文書を受け取るとだ」
「その時にですね」
「我々の勝利が確定しますね」
「その時まで戦争は続く」
「だからですね」
「我々としても」
「最後の最後までだ」
 まさにというのだ。
「油断しない、そして戦費もな」
「その時までかかりますね」
「もっと言えば軍を元の場所に戻すまで」
「動員した戦力を戻すまで」
「それまで戦費はかかりますね」
「軍隊を移動させてもな」
 それだけでというのだ。
「非常にだ」
「はい、費用がかかります」
「移動費が」
「それだけでエネルギーを消耗しますので」
「軍は動かすだけで予算がかかります」
「それ込みでだ」
 アッディーンはさらに言った。
「戦争をしているからな」
「財務省もそこはわかってもらいますね」
「戦費については」
「戦争が完全に終わるまでかかり」
「そしてですね」
「この度の戦争ではかなりかかる」
「覚悟してもらいますね」
 参謀達も口々に言った。
「相当なものになる」
「そこはもう仕方がないですね」
「これだけの規模の戦争ですから」
「連合なら何でもないでしょうが」
「我々の国力ならです」
 どうしてもというのだ。
「国家予算の数年分になります」
「もうそれだけの戦争ということで」
「覚悟してもらいますね」
「そしてそのうえで」
「戦費は後々返済していきますね」
「そうしていく、むしろな」
 アッディーンはこうも言った。
「財務省は今までよくやってくれている」
「戦費の調達について」
「これまで戦費が滞ったことはありません」
「そのことを考えますと」
「実際にですね」
「このことはですね」
「私も感謝している」
 オムダーマン共和国大統領即ちこの国の軍の最高司令官としてというのだ。実際に軍を率いていることからも言っているのだ。
「このことはな」
「非常にですね」
「戦争が続けられますので」
「それがひいては勝利につながる」
「だからですね」
「これ以上はないまでにな」
 まさにというのだ。
「有り難く思っている」
「非常に苦労していますが」
「その苦労にですね」
「閣下も感謝されているのですね」
「そうなのですね」
「感謝しない筈がない」
 これがアッディーンの本音だった。
「さもないとだ」
「戦費がなければ」
「戦争なぞ出来るものではない」
「戦争もまた国家の為すことです」
「予算がなければ行えないですから」
「それを調達してくれるのなら」
「何と有り難いことか。しかもここはサハラだ」 
 この地域であることからもだ、アッディーンは話した。 
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