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オズのボームさん

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第二幕その十一

「魔法の道具を全部異次元の中に入れておいて」
「あっ、ポケットと異次元をつなげて」
「それで何時でも出せる様にしたのね」
「そうしたポケットにしたんだ」
「そうなのね」
「うん、これは凄い経緯で出来る様になったんだ」
 魔法使いはにこにことしてお話しました。
「日本からオズの国に来た漫画家さんから教えてもらってね」
「あっ、その漫画家さんって」
「物凄く偉大な人だったね」
 ハンクと木挽きの馬は漫画家さんと聞いてすぐにわかりました。
「沢山の漫画を描いていて」
「その漫画でオズの国の皆を笑顔にさせてくれる」
「漫画の王様と言ってもいい人だね」
「そうだったね」
「そう、その人に教えてもらって」
 そうしてというのです。
「ヒントを得たものでね」
「それでだね」
「魔法使いさんも作ってみたんだね」
「そうなんだ、そして作ってみたら」
 これがというのです。
「凄くいいんだ」
「便利なんだね」
「どんな道具もすぐに出せて」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「そのお薬も出せるよ」
「あの、飲むことのない人達はどうなるんですか?」
 ファイター大尉がこのことを尋ねました。
「僕もそうなんですか」
「そうした人達のことも考えてるよ」
「そうですか」
「だからね」 
 それでというのです。
「塗り薬も用意したよ」
「そうだったんですか」
「飲み薬とね」
 それと、というのです。
「塗りくするもね」
「両方ですね」
「用意してね」
 そうしてというのです。
「使えるからね」
「はい、それじゃあ」
「そちらのお薬も出せるよ」
「その漫画家さんは僕も知ってるよ」
 ボームさんも言ってきました。
「僕がいた時にオズの国にあった魔法ですらね」
「凌駕する道具を一杯考えたね」
「うん、その漫画を観て驚嘆したよ」
 そうなったというのです。
「その人がオズの国に来た時にね」
「そうなったね」
「うん、あの人の考えだした科学の道具がね」
 それがというのです。
「オズの国の道具のヒントにもなっているよ」
「あの漫画家さんの言う科学は魔法よ」 
 オズマは箒で足下を掃きながら言いました。
「もうね」
「そうだね」
「オズの国は魔法があってね」
「科学もあるね」
 魔法使いさんはオズマに応えました。
「そうした国だね」
「ええ、それで科学と魔法の区分はね」
「ないね」
「錬金術もね」
 こちらもというのです。
「あるし最近は仙人さんもいるから」
「中国や日本の」
「もう色々なものがあるから」
 それでというのです。 
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