綾小路くんがハーレムを構築する話
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綾小路くんとハーレム後日談。
3月初旬。
綾小路「はぁ……。こんなに朝早くから、色々聞かれるとは思っていなかったな…」
俺は先日にあった出来事のおかげで、学校に登校するや否や怒涛の質問攻め(特に3バカから)を受けたおかげで、疲れ切っていた。机に突っ伏していると…
堀北「随分と疲れてるわね?綾小路くん」
綾小路「堀北なら、疲れている理由は聞かなくても分かっているだろ?」
堀北「あなたが、女性をたぶらしたのが、悪いんじゃないかしら?」
なんて人聞きの悪い言い方なんだ……
俺がいつ、どこで、たぶらかしたって言うんだ…
綾小路「そんなことしたつもりはないんだが……」
堀北「はぁ…。本当にあなたって人は…」
そう言うや否や、堀北は冷たい目でこちらを見る。するとこちらにやって来たのは、
櫛田だった。
櫛田「まぁまぁ、堀北さん。綾小路くんが
悪いのは今に始まったことじゃないよ?」
櫛田は笑顔を向けながら俺に言った……。俺は巻き込まれた、だけだよな……?
綾小路「櫛田まで……二人ともなんか怒ってないか?」
堀北「あなたが他の女性をたぶらかしたことは別にこれぽっちも、怒っていないわよ?ねぇ、櫛田さん?」
櫛田「うん!綾小路くんがカラオケで帆波ちゃんたちを魅了していたけど~全然怒ってないよ♪ねぇ、堀北さん?」
綾小路「…………。」
凄く怒ってるじゃないか……
こういうときだけ、意気投合だな…
まぁ、本当は俺が二人の仲介役を引き受けて、堀北が櫛田と話しやすくするための、約束だったはずだからな……
それなのに関係ない、坂柳たちと出会って邪魔されたのが、本当は気に食わなかったのだろうな……というか…カラオケだって、一之瀬や櫛田たちが無理やり俺に歌わせたんじゃないか…全く…
堀北「とにかく、あなたはこれを期に反省することね?不用意に目立ちたくないなら尚更よ?」
綾小路「善処する……。」
3月のいつかは分からないが、1年生最後の特別試験もあるからな。
今、他クラスの椎名や坂柳と一緒に居たら
どんな反感を食らうか分からないからな…
ここは素直に堀北の言う通りにしとこう。
それに、この話しは1年生全員ではなく、ごく一部の間で噂になってるだけに過ぎないはず……。
恐らく、ここまで噂になって、騒いでいるのはCクラスだけだろう……。
それならこの噂はすぐに治まるはずだ。
坂柳や椎名や一之瀬が俺なんかのことで、余計な吹聴や周りを誤解されるようことを
言うわけないしな……
そんな風に高を括りながら、1限目の授業に向けて準備をした。
だが、このとき俺は知らなかった。
これから起こる大騒ぎに巻き込まれることになるとは………
昼休みにて
未だにCクラスは俺の話題で持ち切りだったので、席を立って学食に逃げるように移動しようとしたら……
長谷部「きよぽん~!今、学食に行こうとしてたでしょ?グループのみんなで行こ」
佐倉「わ、私たちと一緒に食べない?清隆くん?」
三宅「そうだぞ、清隆。一人で行くのは水くさいぞ?」
幸村「何やら、ずっと騒がしくて大変だったな清隆。大丈夫か?」
波瑠加たちに声を掛けられた。正直言って
非常に助かる。俺一人で居たら、また3バカに捕まるかもしれなかったからな……
綾小路「すまない。助かる。」
長谷部「全く世話が焼けるなー!きよぽんったら~。素直に私たちと一緒に行くのを頼めばいいのにさー?」
綾小路「俺のせいで、迷惑を掛けるかもしれないからな。」
愛里「そ、そんなことないよ?清隆くん」
三宅「とにかく、腹へったから早く学食に行かないか?」
幸村「そうだな。すぐに行かないと混むしな。」
長谷部「そだねー!それじゃ、行こうか」
俺たちは学食に向かって移動することにした。改めてこのグループのありがたみを
知ったのだった。
ガヤガヤ…
流石に昼休みの学食は混んでいた。
ここに来た瞬間、俺に視線が集まってるのが、分かった。1年生だけでなく、上級生からも凄い視られてるんだが……
これじゃ、愛里たちにも迷惑が掛かるな…
綾小路「…………俺はやっぱり学食は遠慮しておく。」
それだけ、波瑠加たちに言って俺は学食を
後にするつもりだったが……
長谷部「大丈夫だよーきよぽん!私たち気にしないし。それに、午後から体育もあるし、ちゃんと食べないとね~」
佐倉「そ、そうだよ。みんなで食べよう。清隆くん?」
三宅「そうだぞ。それに実際、俺はどうなったら清隆が1年生のリーダー格である坂柳たちと一緒にいたのかが気になるしな」
啓誠「それは、明人の個人的な感情だろ?
まぁ、確かに気にはなるが……余り無理に聞くのは良くないぞ、明人。」
波瑠加たちはそれでも俺と学食を共にしてくれるようだ。明人はただ、俺の話しを聞きたいからだろうが……
ここまで、言ってくれる波瑠加たちの好意に甘えることにした。
とりあえず、視線が気になるので、波瑠加たちのために素早く日替わり定食に決めて、なるべく奥の方の席に座ることにした。
三宅「それで、清隆。一体、何が、どうなって、そうなったんだ?」
啓誠「明人。食べ終わった後で、いいだろ
それに、もう少し落ち着いて食べたらどうだ?」
俺に早く話しを聞きたいからか、明人は食べながら言った。啓誠はゆっくり食べろと
明人を制しながら言っていた。
長谷部「まぁ、確かに私も愛里も聞きたいことあるかもね?きよぽん。私たちが誘おうとする前から、堀北さんの他にも一之瀬さんや椎名さんたちも一緒だったし~」
佐倉「う、うん……。あの時詳しいこと、聞けなかったから…」
長谷部「でも、案外楽しかったけどねー。あのメンバーでカラオケは盛り上がったしねー!ねぇ?きよぽん?」
ニヤニヤしながら、波瑠加はこっちを向く
カラオケについては俺としては正直触れて欲しくないことだが……
対称的に愛里は少し不安そうだった。
綾小路「すまなかったな。愛里。あの時、
うやむやになってしまって…」
佐倉「う、ううん、いいんだよ。清隆くん
があの時私たちを誘ってくれたことは本当に嬉しかったし」
綾小路「食べ終わったら全て話す。」
それだけ俺は言って、残りの日替わり定食を食べ進めた。
皆が食べ終えたため、俺は本題に入ろうと
したその瞬間に……
『綾小路くんここにいらしたのですね?探しましたよ?』
一瞬、背中にゾクっと寒気がした…
声の主はもちろん…
坂柳「ふふ♪ようやく見つけましたわ。ごきげんよう綾小路くん?」
神室「やっと見つけた……ったく教室に居なさいよ。」
綾小路「なんで?ここにいるんだ?
まるで、俺が話しをするタイミングを待っていたかのような登場だった。坂柳の付き添いでお馴染みの神室もうんざりしたような表情で隣にいた。
坂柳「あなたと昼食を共にと思いまして、
ここに来た次第ですわ♪」
坂柳は上品な包みの弁当箱を持参していた。
ついでに、神室は購買のメロンパンを持っていた……
綾小路「そうか。それなら、残念だったな。もう、食べ終わったところだ。一緒にいる意味ないんじゃないか?」
坂柳「そんなこと言わずに、わたくしのお弁当食べてみてくれませんか?」
空気がピリつくのも気にせず、俺の隣に、
座ろうとしていた。
すると、波瑠加が…
長谷部「ちょっといい、坂柳さん?今、私たち取り込み中だから割り込まないで欲しいんだけど」
強めの口調で波瑠加が坂柳に物申した。
肝据わってるな……流石は波瑠加…
坂柳「長谷部さん……でしたね?ご安心下さい。少しの間、綾小路くんを借りるだけですわ」
長谷部「だから……きよぽんとは今から話しがあって……」
坂柳「その事についても、わたくしたちは
聞きに参りましたんですよ?」
綾小路「どういうことだ?お前から俺に聞くことなんて何もないはずだ。」
坂柳「惚けないで下さい、綾小路くん?先日わたくしたちが綾小路くんと行動を共にする前から、堀北さんたちと一緒にいましたよね?どうしてですか?」
そう言うと坂柳は黙って俺を見つめた。
俺は無気力に坂柳を見つめ返しながら、仮説を立てる。
1つ。本当に聞きに来ただけなのか……
2つ。昼食を共にというブラフを張って、噂になっている、俺がいま、どういう状況で、過ごしているのか確認にきたか……
3つ。先日の騒動をここで、更に大きくして、俺を困らせたいだけか……
どれもあり得るな坂柳なら……
綾小路「それはお前にまで、一々言う必要性は感じないと思うがな。」
坂柳「いいえ♪綾小路くん♪わたくしたちにも聞く権利がありますわ?真澄さん。もう、準備は整いましたか?」
神室「はぁ……。あんたのせいで、大変だったんだからね?」
俺の方を向きながら、神室が言った。
どういうことだ?準備?
そう、頭で考えていたら……
『『『『『『??????』』』』』』
色んな方向から、あの一連に加わった女性陣がこちらに来ていた……
軽井沢「きよ……綾小路くん?なんで、ここに?」
佐藤「え?どうして綾小路くんが…」
椎名「綾小路くん?私は神室さんに呼ばれた筈ですが……」
堀北「坂柳さんに嵌められたわね……」
櫛田「あれあれ?どういうことなのかな?私も神室さんに呼ばれたんだけど……」
一之瀬「綾小路くんと坂柳さん……?どうしてここに?それにみんなも」
綾小路「……そういうことか。」
坂柳「はい♪これで理由を話してくれますよね?言いましたよね?わたくしたちにも聞く権利があるって……♪」
最初からこれが狙いだったらしい…
先程、俺が坂柳ならこう考えるだろうと立てた仮説の後者……
つまり、先日と近い状況を作って周りを
巻き込み、騒動を大きくするのが、
狙いだったってことか……
ガヤガヤ……
『なんだ?なんだ?痴話喧嘩か?』
『あの男の子、私見たよ。先日あの女の子たちと一緒にいたのを。確か、いま噂になっている子だよね?』
『10人も女の子いるわよ?まさか……』
『10股ってこと?……凄いわね……』
『えー嘘。まさか、修羅場ってやつ?』
『でもさーあの男の子カッコよくない?』
『確か、二学期の体育祭で足速くて目立ってたんじゃなかったっけ?』
ガヤガヤ……
綾小路「…………場所だけ代えて欲しいんだが……」
坂柳「もちろんいいですわ。全て洗いざらい話して下されば♪屋上なんてどうですか?今なら、きっと空いていますよ♪」
綾小路「……分かった、それでいい。明人
と啓誠には後で説明するから、先に教室に
戻っていてくれないか?」
こうなってしまっては明人たちだけは、
避難して貰おう……元々俺の招いたことだ
三宅「わかった。頑張れよ…」
幸村「大変だな……清隆。分かった、また後でな」
二人はそそくさと教室に向かっていった。
坂柳「それでは、みなさん参りましょうかねぇ、綾小路くん♪」
悪女のように微笑みながら、俺に言った…
堀北と恵と波瑠加には明らかに睨まれ、
愛里と佐藤は小動物のように縮こまり、
櫛田はどす黒い笑みを灯し、
坂柳は楽しそうに、
神室はめんどうくさそうに、
椎名はこの状況をよく分かっておらず、
一之瀬は頬膨らませてこちらを見ていた…
なんで怒ってるんだ……?
俺の平穏はどこへ……
屋上。
やはり、三月ということもあって周りに
生徒が居なかった。
さてと、まずは…
綾小路「一応聞くが、坂柳、一之瀬、椎名今回のことで、それぞれのクラスで何か、余計なこととか言ってないよな……?」
坂柳「ご安心下さい。綾小路くん、私はクラスのみなさんには何も聞かれていないですわ?そうですよね?真澄さん?」
神室「そうね……。全員あんたに聞きにくいからなんじゃない?」
椎名「そうですね……。私も聞かれたと言えば、聞かれましたが、楽しかったことをお伝えしたくらいですね。」
一之瀬「え、えっと、わたしは、その、クラスのみんなについ、綾小路くんが凄く歌が上手いこと話しちゃったくらいかな……?ごめんね♪」
坂柳も椎名もここで、嘘をつく理由はないからな…
しかし、何気に一之瀬が最後に言った言葉が一番気になるが……
綾小路「分かった。すまないな。尋問のような真似して」
一之瀬「全然大丈夫だよ!綾小路くん」
椎名「私も気にしてないですよ?」
坂柳「いえいえ♪それくらいお安い御用ですわ。こちらは質問に答えました。では、今度はわたくしたちの番ですね?」
堀北「待って坂柳さん。ここは、私が説明するわ。」
ここまで、静観していた堀北が割って入った。頼むから、余計なこと言ってこれ以上
俺を困らせないでくれよ?堀北……
坂柳「わたくしとしては是非綾小路くん自身に、言って頂きたいのですが?」
堀北「良いから、聞いて、坂柳さん。これ以上あなたに振り回されるのは嫌なの。」
堀北に同調するように…
軽井沢「まぁ、それは確かに……。私たちも途中から、加わったから詳しいこと知らないけどさ……ねぇ?佐藤さん?」
佐藤「う、うん。それに急に呼ばれたりするのはちょっとね……」
長谷部「私も愛里も聞きたいことは、たぶん坂柳さんと一緒かもしれないけどねー。
私も今回は堀北さんと一緒だな~考えが」
愛里「う、うん……。」
椎名「私は早く新しい小説を綾小路くんに
お薦めしたいのですが……。」
一之瀬「私は…。綾小路くんを困らせるやり方は、よくないと思うよ!!!」
櫛田「私も、それは帆波ちゃんと同じ!」
神室「……だってよ?」
坂柳「ふふ♪確かに少々、綾小路くんに意地悪が過ぎたかもしれませんね♪つい、綾小路くんに反応が面白くて♪」
楽しそうに笑いながら言わないでほしい…
椎名はいつでも、マイペースだな…
これ以上、話しが長引くと厄介だ。
そろそろ…
堀北「これ以上は、時間の無駄だから、説明するわ。あの日、綾小路くんと私と櫛田さんで会っていたのは事実よ?私と櫛田さんで、これからのクラスのことについて、ついでに、彼を呼んだだけ。それ以上でも以下でもないわ。ねぇ、櫛田さん?」
櫛田「うん!!」
まぁ、真実と嘘どちらも半々だな……
堀北も櫛田も決して嘘はついてないしな…
クラスのことについて、俺を呼ぶ必要があるか、どうかの審議はともかく、
櫛田と堀北が裏では仲違いしてるということが、坂柳にバレると厄介だからな……
坂柳「そうだったんですね。なるほど……
つまり、綾小路くんとデートしたかったのですね?」
『『『『『『『『え?』』』』』』』』
綾小路「ちょ、ちょっと待て坂柳。どう、解釈すればそうなる?」
いきなり、とんでもない爆弾を投下して…
しかも、どうして全員ハモるんだ……
いや、一人だけ…神室はどうでも良さそうに聞いてるな…
堀北「そ、そうよ。わ、私が、あ、あや、綾小路くんなんかとデ、デートしたかったなんて…。第一、櫛田さんも一緒だったのよ?」
坂柳「そうでしょうか?櫛田さんと口裏あわせて、彼と休日を過ごしたかったように思えますわ♪どうなんです?櫛田さん?」
櫛田「えっと……それは……」
……話しが良くワカラナクナッテキタ……
じゃない、落ち着け。
つい、ロボットみたくなってしまった。
つまり、えっとー…あの時堀北が俺を誘ってきたのはそういうことだったのか……?いやいや……それはないな。
自意識過剰過ぎるぞ…俺!しっかりしろ!
いつものように冷静になれ…
坂柳「やはり、そうでしたか♪残念でしたね?私たちもご一緒させてもらってしまって、せっかくの綾小路くんと会える時間の独り占めを邪魔しちゃってすみませんでした♪」
坂柳は楽しそうに微笑みながら、言い出した……もう、止めてくれ……
これ以上堀北たちを刺激しないでくれ…
軽井沢「へぇ~そうなんだーやっぱりー
堀北さんたちと仲良しなんだ……?」
佐藤「そ、そうなの?綾小路くん……」
佐倉「清隆くん……。」
長谷部「ふーん。やっぱり……ね?」
一之瀬「にゃはは……。そうなんだ…」
椎名「そうだったんですね……。でも、
私のためにわざわざ図書室に来て頂いてますし、それが私は嬉しかったですし///」
『『『『『『『『『………………』』』』』』』』』
椎名が照れたように、そう言った瞬間…。全員から、冷たい目をしてるような、怒ってるような、悲しんでるような……
思わぬ、伏兵にまで、殺られるとはな…
と、とにかく弁明をせねば…俺が、死ぬ。
綾小路「お、落ち着け。確かに、あの時、堀北たちに誘われたのも事実だし、椎名に本を返そうと思っていたのも事実だ。だが、俺なんかのことで、堀北たちがそんなこと思うわけないだろ?」
俺がそう言った瞬間に堀北の手刀が入った
いつもより、数倍痛い……
それと、全員の目が痛い……
なんでだ…
坂柳「ふふふ♪綾小路くんやっぱりあなたはとても面白いですね♪ですが、女心はまだまだ分かっていないようですね?」
神室「はぁ……。私はどうでもいいけどさ
これからどうすんのよ?結構学食で、私たちのこと、みてた奴等たくさんいるんじゃないの?これ以上、根も葉もないこと言われるのはごめんなんだけど…?」
神室がうんざりしたような顔で言った。
実際それはその通りだ。
恐らくまた、色んなところで、俺たちの噂をしてる可能性が高い……
いや、今度は下手したら学校全体に広がってるかもしれない……考えたくないが…
坂柳「そこで提案があります。」
綾小路「提案だと?」
坂柳「はい♪それは……しばらくこのメンバーで放課後を一緒に過ごしませんか?」
綾小路「………は???」
『『『『『『『『『えぇーーーーーーーーー!!!!!!!!!』』』』』』』』』
屋上の昼休みに絶叫がこだまする……
それでも、坂柳は微笑みを崩さなかった…
軽井沢「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ。坂柳さん!きよ……綾小路くんと一緒にいたら、それこそ、もっと、色んな噂を立てられるじゃん?(それって隠れて清隆と会わなくてもいいってこと?それに清隆と放課後過ごせるの?良いことずくめじゃない//////ニヤけちゃ、ダメ清隆にバレる)」
佐藤「綾小路くんと一緒に……。
(これってチャンス到来じゃん!前回、告白した時は、ほとんど勢い任せだったんだし…… 綾小路くんのこと色々知れる機会なんだから!)」
堀北「軽井沢さんの言う通りよ。特別試験の前にあなたたちと一緒なんて……。何を考えてるの坂柳さん?(落ち着くのよ…また何か企んでいるに違いないんだから)」
櫛田「私は坂柳さんの意見に賛成かなー♪こうなった原因は綾小路くんだけの責任じゃないしね♪(これを機会に綾小路くんを観察して、ここにいる女たちを出し抜いて私のものにするんだから/////)」
椎名「私たちはもう、龍園くんと違って、
無理に争う気はないですし……私はもっとここにいるみなさんと仲良くなりたいです(綾小路くんと一緒にいれる時間が、増えるならこれ以上嬉しいことないですね//////)」
一之瀬「で、でも堀北さんの言うように今月は1年生最後の特別試験だってあるんだよ?私たちが一緒にいたらクラスに迷惑掛けちゃうかもしれないよ……?
(本当に一緒にいれるの?そしたら、綾小路くんともっと会えるってことなの?う、嬉しいけど//////でも…こんな私を信じてくれたクラスのみんなをまた、裏切るような真似は絶対できないよ……)」
長谷部「坂柳さん?なんか、勘違いしてない?軽井沢さんの言う通り解決策にならないじゃん?それに、私達はもうきよぽんグループ結成してるんだよね~。
(なーに考えてるんだろ?坂柳さん。とりあえず、きよぽんは愛里と私のものだから渡さないけどね~♪)」
佐倉「き、清隆くんを困らせるのは、そ、その、やめてください……。(これ以上清隆くんの恋のライバルを増やすわけにはいかないもんね…)」
神室「はぁ…。面倒なこと巻き込まないで欲しかったんだけど…(なんで、坂柳は、綾小路をそこまで付け狙うんだか…まぁ、あいつ顔はそこそこいいけどさ……って何を考えてるんだ、私は///)」
坂柳「ふふふ♪皆さんのご心配には及びませんわ。分かってます、まずは順を追って説明致しますわ♪」
綾小路「待て、坂柳。説明する前に本当に信じていいのか?ここにいる全員が疑心暗鬼に陥ってるのは坂柳だって分かってるだろう?」
坂柳「もちろん、分かっていますわ。綾小路くん♪これから言うことに裏表もありませんよ?そこまで、疑うのであれば、今ここで、ボイスレコーダーでも、動画でもご自由にどうぞ♪」
俺は、坂柳の目をじっと視た…
坂柳は見つめ返してきたが、坂柳の顔が赤くなり、そして目を逸らされた…なぜだ…
とりあえず、聞くだけ聞いてみるか……
ここで、不用意に嘘はつかないだろうしな
綾小路「…とりあえず、聞かせてくれ。」
堀北「綾小路くん?本気……?そんなに、ここにいる一之瀬さん達と一緒にいたいのかしら?……いやらしいわね。」
綾小路「話しを聞くだけだ。そんなことを考えてる余裕はないぞ?堀北。」
堀北「ふん……。」
特別試験があることを踏まえて、警戒するのも理解できるが……
俺はこの状況を何としても打破したい…
それが、例えもし、坂柳たちと行動を共にしようと、それが、結果的に利があるならそれでいい。静かな日常を取り戻すためなら、この際、なりふり構ってられない…
坂柳「それでは、お話しをする前にまず、
今の状況は皆さんご存知の通り、わたくしの遊びが過ぎてしまったことが原因です。
それは、お詫びしますわ。すみません。」
そう言うと、坂柳はペコリと頭を下げた。
綾小路「もういい。こうなってしまっては仕方ない……とにかく頭を上げて、お前の考えを聞かせてくれ」
……本当に面倒なことに巻き込んでくれたものだが、今、大事なことは坂柳の提案を聞いて、この状況を打破できるかどうか、精査することだからな……
坂柳「綾小路くんは、本当にお優しいのですね……//////」
うっとりした表情でこちらを見ながら坂柳が言うと、恵と波瑠加と堀北から、鋭いチョップを貰った……頭はやめろ…
その様子を微笑みながら、
坂柳「これ以上話しを先伸ばすと、昼休みも終わってしまいますし、綾小路くんの身がもちませんね♪」
綾小路「お、おう、実際その通りだから、
なるべく早く頼む……」
坂柳「それでは。先程わたくしが、このメンバーで一緒に過ごすと言ったのは騒動の鎮静化を謀る目的が、あります。」
軽井沢「だから、それじゃ、余計に…」
坂柳「本当に……そうでしょうか?」
坂柳は妖艶に微笑む…
軽井沢が納得できないという表情で、
軽井沢「え?だって、クラスでも、絶対に騒ぎになってるだろうし。きよ…綾小路くん10股とか言われてたし…ぷっくくww」
長谷部「確かに言われてたね~♪あはは」
波瑠加、恵……笑ってる場合か!明らかに他人事だと思って楽しんでるだろ……
堀北「はぁ……。話しが進まないわね…。
とにかく坂柳さんの話しを一度聞いてから、意見を言ってくれないかしら?」
軽井沢「う……。ご、ごめんなさい…」
坂柳「続けますね?皆さん、今一度考えてみて下さい?私たちは何か後ろめたいことをしたでしょうか……?ありませんよね?ただ、休日に偶々、綾小路くんや皆さんと出会って、一緒に楽しく遊んだだけですよね?」
そう言ったあと、俺に視線を向ける。
まるで、『あなたに聞いてますよ♪』と
目で訴えているようだったので……
綾小路「確かにな。その通りだ。」
坂柳「でしょう?確かに、今月に1年生最後の特別試験がありますし、警戒するのも分かりますが、あの時、クラスのこと、試験のこと、何のお話しもしていませんよね?」
一之瀬「それは、坂柳さんの言う通りだけど…でも、例えば、クラスのみんなにその事全て話したとしても信じてもらえるかどうか……」
一之瀬が皆の考えを代弁してくれたようだった。一之瀬は坂柳の策略で、一度、Bクラスも一之瀬自身も危機に陥れられそうになったからな…
クラスのために慎重になることは当然だろろう……
続いて、堀北が質問した。
堀北「確かに私たちは一緒に居たとき、クラスに関わるような事も試験についての話しも、してないわ…でも、事を大きくしてしまったことが問題なのを忘れないでくれる?」
堀北の言うことも最もだしな…
それがイコール俺たちと行動するのが、鎮静化するとは考えにくいんだが……
坂柳「堀北さん。一之瀬さん。皆さん。もう、ご心配には及びません。既に手は回していますので♪」
綾小路「どういうことだ?」
神室「………これよ。」
俺の質問に答えるように神室がスマホを取りだして、俺に見せたものは……
1つの動画……?
神室が再生ボタンを押すと……なんと……
映ってるのはなんと俺が淡々と歌っている様子の動画だった……
綾小路「いつの間に……。」
坂柳「ふふ♪あなたにしては詰めが甘かったですね?私があなたの貴重な姿を記録に残さないとお思いですか?」
軽井沢「なんで、綾小路くんのあの時の動画が……?(あーーーずるいずるいー!!
私も欲しい……////)」
この角度の動画だと……座っていたのは、神室だな…まさかあの時、坂柳や櫛田たちが、俺を歌わせてる間の一瞬の隙をついて
動画を撮っていたのか……?
不覚だ……確かにあの時は精神的に不安定だったからな……
坂柳「既にもう、この動画は1年生の女子に出回っていますわ♪」
『『『『『『『え?』』』』』』』
綾小路「な、なんだと……」
軽井沢「あ、ほ、ほんとだ。(やったーーー♪清隆の貴重な動画ゲット♪)」
一之瀬「私のスマホにも…(あの隙がない綾小路くんから、動画を一瞬で撮るなんて神室さん凄い!そして、ありがとう♪保存しなきゃ//////♪)」
堀北「私にも来てるわね。(こうやって、改めて動画で、見直すのもありね…///)」
佐藤「私にも(うわぁーい。動画を撮ってくれた人に感謝しますーー)」
長谷部「私と愛里にも来てるね。(ラッキーきよぽんのこんな姿貴重だもんね♪)」
佐倉「ほ、ほんとだ。(う、嬉しい//////本当だったら、あの時カメラに収めたかったから……それが動画なんて……ありがとう//////)」
椎名「私にも動画が届いていました。(綾小路くんの動画ですか……しっかり保存しとかないとですね♪)」
ここで、違和感を感じた……
ここで、一人だけ反応してないやつがいた
なるほどな……そういうことか
櫛田「ちゃんと皆に届いたね?よかったー♪」
綾小路「やっぱり、動画を流したのは櫛田だったのか……」
坂柳や神室だけでは、動画を流せる人数は限られるが、だが、櫛田なら、1年生のほぼ全員の連絡先を知っていて、その上人望も厚い。その事を知った上での計画か…
恐らく、この話しは水面下で動いていたのだろう……
坂柳「ふふ♪当たりです。綾小路くん!私たちだけでは動画を他クラスにまで、流すことは、到底できないので、櫛田さんにも手伝って頂きましたわ♪」
軽井沢「どうして、櫛田さんがこの動画を流したの?」
櫛田「神室さん呼ばれた時は、この計画をいつ実施するかの話しだと思ったんだけど、坂柳さんが勝手に学食で、あんな目立つ行動するからさー…」
堀北「あなたたち、裏で通じてたの?」
櫛田「やだな~堀北さん?人聞き悪いこと言わないでよ。これは、私たちのためなんだからね?」
一之瀬「私たちのためって……どういうこと桔梗ちゃん?」
坂柳「この動画を流せば、綾小路くんに歌の上手さに注意が向きますよね?そして、この動画を最後まで観ると……」
坂柳のスマホにはもう、歌い終わった俺の姿を見せた……もう、やめてくれ……
というか、1年生全員に俺の動画を勝手に流すのはプライバシーもへったくれも無さすぎだろう……
しかも、もう取り返しがつかない。
綾小路「これは?俺が歌い終わった後の櫛田のコメントか?」
俺が歌い終わったときに唯一、櫛田が俺に話し掛けてきたのは覚えてた……
動画の最後の言葉は坂柳のスマホから聞こえた……
『流石、綾小路くんだねー。私たちのために歌ってくれてありがとね♪カラオケに誘ったかいがあったよ。他のクラスの子たちにも聴かせたいくらい良かったよ?今度、他クラスの人ともカラオケ行こうよ!』
そのセリフを言って、動画は終わった。
坂柳「ふふ♪綾小路くん。あなたならもう分かりますよね?」
綾小路「あぁ、まぁな……。これからの事を考えてたら胃が痛くなってきた……」
櫛田「それは、自業自得だよ?朝に言ったよね?全部、綾小路くんの責任だからねって♪」
坂柳「櫛田さんの最後のコメントのおかげで、私たちはあなたが歌が上手いのを知ってカラオケに誘った……と解釈できますよね?」
軽井沢「きよ……綾小路くんが歌が上手いことを広めて、注意を反らすのは分かったけど、それでも、私たちと一緒に過ごすことは出来にくいんじゃない?」
坂柳「大丈夫ですわ♪それに放課後には、目立つのが、苦手なそこの綾小路くん、だけに、集中していますから♪それでは、昼休みも終わりますし、一度解散しましょう。ごきげんよう」
坂柳は言うだけ言って、嵐のように去っていった……
ここにいる半数はまだ理解出来ていないようだったが、昼休みも終わりそうなのは事実なので、全員慌てて教室に戻った。
結局、俺に全て背負わせるつもりだったな。坂柳のやつ……
放課後。
俺のクラスの教室周りには人だかりが出来ていた……
目当ては……
柴田「おーい!綾小路~動画見たぞー。俺たちと今度カラオケ行こうぜー。」
神崎「おい、柴田。あまり、教室の前で騒ぐのは止めておけ。」
平田「綾小路くん。君って本当に何者なんだい?でも、流石だね。」
橋本「俺たちのリーダーとカラオケで、交流しているとは流石、キング様だ。宜しければ俺も是非共にしたいもんだな~。」
他クラスの男を筆頭に俺の見知らぬ女子も
いるな……
『綾小路くん凄い歌上手かったよねー』
『動画見たよー。』
『今度、私たちにも教えて欲しいな~』
『ずるいずるい、私たちもお願いー』
綾小路「……………はぁ。」
堀北「随分、人気者になったわね……」
長谷部「動画の効果凄いねー?」
佐倉「うぅ、これじゃ清隆くんのライバルが増えちゃうよ~……」
軽井沢「なるほどね。これだけ綾小路くんの歌が上手いことを知れば、一緒にカラオケ誘うのも放課後に会うのも自然になる訳ね!!今は、特別試験の期間でもないし」
佐藤「な、なるほどね!軽井沢さん凄い」
櫛田「そういうことだよ♪みんな。綾小路くんと一緒に行きたがる子も増えて大変なのが、難点だけどね~…」
俺の動画が瞬く間に広がり、やれ歌が上手いから教えろとか、カラオケ行こうぜーとか、歌ってーとか、色んな意見が聞こえた。そしたら、奥のほうから、この策を講じた人物が俺の元にやって来た……
坂柳「軽井沢さんの言う通りです♪これなら、他クラスのわたくしたちが一緒に居ても不自然ではありませんよね?今は、特別試験の期間ではありませんしね?」
坂柳は嬉しそうに話した。
今が特別試験でも、なんでもないから出来た策だった訳か……
特別試験が始まったら無闇に俺に接触は出来ないが、プライベートなことなら一緒に居ても何も問題無いことを櫛田が他のクラスメイトにを伝えた訳だな……人望が厚いからこそできる芸当ってことだ……
坂柳が教室に集まっている人だかりに向かってこう言った。
坂柳「ここにいる皆さん。すみませんね♪今から、前回カラオケでご一緒したメンバーとカフェに行く約束してますので……綾小路くん?行きますわよ?」
坂柳の威圧に気圧され、教室の人だかりは散っていった……
クラスの連中(三バカは気絶していたが…)はその様子を唖然と見ていた。
綾小路「……もう何だっていい……」
軽井沢「そんなこと言わないで、行くよ。綾小路くん?」
佐藤「や、やった。」
堀北「…仕方ないわね。」
櫛田「いぇーい♪ほらほら、綾小路くん置いて行っちゃうよ~?」
長谷部「てことで、ゆきむー、みやっちー今日はこのメンバーで遊んでくるね~♪」
佐倉「な、馴染めるかなぁ……」
椎名「大丈夫です、佐倉さん。何かあったら綾小路くんが解決してくれますよ♪」
一之瀬「Bクラスのみんな。。私も誘われてるから行って来るねー!!!」
神室「私はパス……って言いたいとこだけど坂柳とあんたにつきあってやるわ」
坂柳「ふふ♪とても楽しみですね♪」
誰か俺の平穏を取り戻す方法を教えて欲しい……
これからも坂柳たちに振り回されるのかもしれないな……
綾小路「(誰か助けてくれー)」
心の声で俺は全力で叫んだ……
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