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第三十六話 二度目の合コンその十二

「他の地域から来た子に言ったわ」
「理虹ちゃんそうしたのね」
「それでたぬきうどんって何ってね」
「きつねそばも」
「思ったわ」
「そうなるわよね、関西だと」
「本当にね」
 こう話すのだった。
「一体それ何ってね」
「あんかけでもたぬきになる地域あるのよね」
 留奈はこちらの話もした。
「何かね」
「そうみたいね」
「おうどんおそばも地域の違いあるわね」
「どうしてもね」
「関西だとそうだってことだね」
 伊東はたこ焼きを食べつつ言った。
「それならそれでね」
「いいよな」
「うん、ちなみに僕もきつね好きだよ」
 きつねうどんがというのだ。
「揚げがあるだけで全然違うね」
「一枚の違いでもな」
 古田も応えて話した。
「それだけでな」
「本当に違うね」
「そうだよな」
「一枚だけれど」
「その一枚が違うんだよな」
「物凄くね」
「そうそう、それなんだよ」
 達川はソーセージを食べつつ二人に応えた。
「揚げがあるとな」
「もうそれだけでな」
「全然違ったものになるね」
「揚げを食べながらおうどんも食べる」 
 麺もというのだ。
「もうな」
「それがな」
「いいんだよね」
「そうだよ、それで薄揚げじゃなくても」
 そうでなくともとだ、達川はさらに話した。
「おでんでもそのまま煮たり焼いてもな」
「達川君いいのね」
「あっ、寛弘でいいよ」
 名前でとだ、達川は一華に返した。
「それで」
「じゃあヒロ君でいい?」
 『たかひろ』という呼び名からだ、一華は返した。
「それで」
「じゃあそれで」
「ヒロ君揚げをそのまま焼いてもなのね」
「煮てもね」 
 揚げ自体をというのだ。
「それでもね」
「好きなのね」
「お料理に使っても好きだし」
 それと共にというのだ。
「そのまま食べてもなんだ」
「兎に角好きなのね」
「生以外なら」
「まあ普通揚げは生で食べないわね」
「そうだよね」
「つまり揚げならなのね」
「何でも大好きなんだ」
 こう一華に話した。
「前世は狐じゃないかっていう位に」
「狐って言えば揚げだしね」
「そう思う位好きなんだ」
「そこまで好きなのね」
「お豆腐も好きだし。ただ」
「ただ?」
「夏に湯豆腐はね」
 これはというのだ。 
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