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ウルトラマンカイナ

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米国編 ウルトラセイバーファイト 前編

 
前書き
◇今話の登場人物及び登場メカ

◇アメリア
 BURKアメリカ支部の若きエリート隊員である、金髪碧眼の勝気な爆乳美女。巨大軍事企業の社長令嬢にして、アメリカ支部の司令官からもその将来を嘱望されるほどの才媛……なのだが、自信過剰で高慢な性格が玉に瑕。19歳。
 スリーサイズはバスト102cm、ウエスト60cm、ヒップ93cm。カップサイズはK。

◇エリー・ナカヤマ
 かつてBURKアメリカ支部から惑星調査隊に参加したこともある女性パイロットであり、現在はアメリアの副官を務めている。高飛車な彼女のフォローに日々追われている苦労人だが、時には先任パイロットとしての厳しい言葉を投げ掛けることもある。当時25歳。
 スリーサイズはバスト78cm、ウエスト56cm、ヒップ84cm。カップサイズはC。
 ※原案は非常識先生。

◇BURKセイバー
 BURKアメリカ支部をはじめとする多くの支部で制式採用されている現役の単座式宇宙戦闘機であり、F-86セイバーを彷彿させる後退翼が特徴。アメリアの父が経営している軍事企業が、主にその製造を請け負っている。


 

 

 ――ウルトラアキレスが地球防衛の任に就いてから、およそ半年。ホピス星の戦いから、約1年が経過していた頃。
 BURKの面々による手厚いサポートを受け、着実に実戦経験を積み成長して行ったアキレスの戦闘能力は、すでに着任時の頃からは比べ物にならないほどの域に達していた。

 BURKとの連携も安定し、民衆からの信頼も獲得したこの頃のアキレスは、多くの人々が認める「ヒーロー」となっていたのである。

 だが――中には、それを快く思わない者もいた。

 ◇

「ふんっ……情け無いわねぇ、どいつもこいつもアキレスアキレス……。『地球は地球人の手で守る』っていう気概を持ってる奴は、もうどこにも居ないのかしら?」

 ――アメリカ合衆国最大の都市、ニューヨーク。その郊外に設けられているBURKアメリカ支部の航空基地で、1人の爆乳美女が雑誌を広げていた。

 艶やかな金髪を靡かせる彼女の、蒼く透き通るような瞳は――アキレスの活躍を讃える雑誌の記事を、「嘲笑」の色で見つめている。
 白く瑞々しい肉感的な柔肌から漂う、芳醇な女の香り。その芳香は、油の臭いが絶えないBURKセイバーの格納庫に仄かな彩りを添えていた。

 100cmを優に超える豊穣な乳房とくびれた腰回り、そして安産型のむっちりとしたヒップは、レオタード状の特殊戦闘服を内側からむっちりと押し上げていた。
 その露わにされたボディラインからは、彼女の「女」としての確かな自信が窺える。

「おい、あれってやっぱり……!」
「あぁ間違いねぇ、最近この基地に着任したばかりだっていう例の女だ……! 噂以上に、たまんねぇカラダしてやがるぜ……!」
「あの乳、あの腰、あの脚、あのケツ……! あぁちくしょう、一度でいいからああいう女を隅々までしゃぶり尽くしてやりてぇ……!」
「あれが……あのギャビン司令官も認めたっていう『女傑』……アメリア隊員か……! くーっ、あのぷっくりとした唇もたまらねぇなァ……!」

 そんな彼女を遠巻きに見遣る、男性整備士達は。スラっとした白い脚を組み、パイプ椅子に腰掛けている彼女――アメリア隊員の肉体を、舐め回すように凝視していた。
 男の本能を絶えず刺激する暴力的な色香は、欲望を隠し切れない雄の視線を独占している。身動ぎするたびにぷるぷると揺れるKカップの爆乳に、整備士達は揃って鼻の下を伸ばしていた。

 だが、誰も迂闊に彼女に手を出そうとはしない。それは彼女が、過去最高の成績で訓練課程を修了したエリート隊員だから……という理由だけではなかった。

 彼女はアメリカ支部のトップであるチャック・ギャビン司令官から、将来を嘱望されたエースパイロットであるのと同時に。BURK関連の兵器製造を長年に渡り請け負って来た、巨大軍事企業の社長令嬢でもあるのだ。

 それほどの「高嶺の花」である故か、本人の男勝りな性格故か。彼女は齢19でありながら、未だに「男」を知らない処女(バージン)であった。が、本人は軟弱な男共を嘲笑うかのように、敢えて無防備に己の乳房を揺らし、雄の本能を翻弄している。
 整備士達の視線に気付いていた彼女は、挑発的な笑みを零しながら、わざと腰をくねらせて足を組み替えていた。その蠱惑的な腰の動きと乳房の弾みに、整備士達はさらに沸き立っている。

 だが、このニューヨーク基地に居る全ての隊員が、彼女に意見出来ないわけではない。腰にブランケットを巻いた1人の美女は、アメリアの尊大な振る舞いを怪訝な表情で見下ろしている。

「……アメリア隊長、整備士達をからかうのもその辺にしてください。彼らも仕事にならないでしょう」
「ふんっ、この私に意見する気? 元調査隊メンバーだからって、調子に乗らないことね。エリー」

 かつてはリーゼロッテ率いるBURKセイバー隊の一員として、ホピス星の調査任務にも参加していたエリー・ナカヤマ隊員。彼女の雷名を知りながらも、自分の方が階級が上であることを鼻にかけているアメリアは、不遜な笑みを浮かべていた。

 一方、そんな上官の振る舞いにため息を溢すエリーは、先ほどのアメリアの発言に眉を顰めている。ウルトラアキレスの「正体」と、その「人柄」を知る数少ない1人として、彼女の言葉は見過ごせなかったのだ。

「地球は地球人の手で守り抜かねばならない、という意見には私も同意です。しかしアキレスは、まだその理想に届かずにいる私達のために、力を尽くしてくれているのです。彼の働きを否定する発言は看過出来ません」
「ふんっ、だったらその理想をこの私がすぐに実現してあげるわよ。もうこの地球に、ウルトラマンなんか要らないわ。地球を守る力は、BURKだけで十分。私もパパも、そのためにずっと努力して来たんだから!」
「アメリア隊長……」

 現代の合衆国を率いている、スコット・マスターソン大統領。アメリカ支部のトップに立つ、チャック・ギャビン司令官。そして自分の才能を見出した、ベス・オブライエン教官。
 彼らの期待を一身に背負い、エリートとしての誇りを糧に努力を重ねて来たアメリアは、エリーの言葉にも全く耳を貸そうとしない。そこに彼女なりの強い想いがあることを知っていたエリーは、それ以上の言葉を紡げずにいた。

 世界最大の軍事企業を率いるトップとして、BURKセイバーの開発にも携わっていた父の背中を見て育って来た彼女にとって。自分達のアイデンティティを揺るがしかねないウルトラアキレスの存在は、決して無視できるものではないのだろう。

 決して、単なる功名心や自尊心だけが理由ではない。地球を守るという崇高な信念を持った父を深く尊敬しているからこそ、彼女はアキレスへの対抗心に燃えているのだ。

 ――その時。このニューヨーク基地に、緊急警報がけたたましく鳴り響く。それは、怪獣の接近を報せるものであった。

緊急事態発生(エマージェンシー)! 緊急事態発生(エマージェンシー)! ハドソン川付近に宇宙怪獣が接近中! 各パイロットは直ちに緊急発進(スクランブル)――!』
「……ッ!」
「ふふんっ……どうやら、さっそくその時が来たようね! 行くわよエリー、私達の『理想』を実現するためにッ!」

 整備士達や他のパイロット達が、その警報に動揺する中。冷や汗をかきながらも不敵な笑みを浮かべるアメリアは、自身のBURKセイバーに颯爽と飛び乗って行く。

「くッ……!」

 そんな彼女に続くように、エリーも下半身に巻いていたブランケットを勢いよく脱ぎ捨て、自身の乗機に向かって駆け出していた。露わにされたレオタードの食い込みに、男達がおおっと声を上げる。

『さぁ……全世界に見せてあげるわ! このアメリアが、パパのBURKセイバーが、ウルトラアキレスを超える瞬間をねっ!』

 そして、ニューヨーク基地に配備されていた全てのBURKセイバーが、滑走路に並び発進準備を整えた時。戦闘機隊を率いる若き女傑は、舌舐めずりしながら操縦桿を握り締めていた。

 ――それが、屈辱的な敗北への切符であるとも知らずに。
 
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