生きる資格
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第一章
生きる資格
星野楓はごく普通のOLである、名古屋に生まれ育ち地元の大学を出て地元の企業に就職している。
毎朝起きて出勤して会社で働いてジムに通ってから家に帰って寝ている、一人暮らしで自炊していて趣味は読書とテレビゲーム学生時代からしているテニスそれにジム通いとその後のサウナである。
酒は宅飲み派で黒髪をショートにしていて丸顔で大きな睫毛の長い目と黒く細い眉を持っている。鼻の高さは普通で唇はピンクで小さい。
背は一五二程でスタイルは脚がやや太く胸がない。毎日仕事をしてジムに通って寝ている。それだけの日々だ。
それである日大学時代の友人と自分のマンションの部屋で寝ている時に話した。
「何か私ってね」
「どうしたの?」
「いや、普通のね」
友人に缶ビールを飲みつつ話した。
「OLよね」
「それ言ったら私もよ」
黒髪をおかっぱにして右をまげにしている大きな目の彼女も言った、名前は前田天という。背は楓と同じ位で口は大きくすらりとしたスタイルだ。二人共飲んでいるのでラフな服装である。下着ではないが家の近くのコンビニに精々行けるというレベルの恰好だ。
「ごく普通のね」
「OLだっていうのね」
「そうよ」
楓にビールを飲みながら答えた、つまみは柿ピーである。
「だからね」
「それを言ったらなのね」
「同じでしょ、けれど不満じゃないでしょ」
「別にね」
これといってとだ、楓は天に答えた。
「ないわ」
「そうでしょ」
「趣味も満喫してるしね」
「また新しいゲーム買ったのよね」
「それがまた楽しいしね」
「だったらね」
それならとだ、天は楓に話した。
「いいでしょ」
「そうなのね」
「普通の何処が悪いか」
天はさらに言った。
「そう言われるとね」
「そうでしょ」
「そうよね」
「そしてね」
天は飲みながら述べた。
「むしろそれがいいのよ」
「普通が」
「悪くないこともね」
このこともというのだ。
「それもよ」
「いいの」
「そうよ」
こう楓に告げた。
「もうね」
「普通でなの」
「あんた別に悪いこともしてないでしょ」
「犯罪?まさか」
有り得ないとだ、楓はビールを飲みながら目でも言った。
「そんなのしないわよ」
「殺人とか放火とか麻薬とかね」
「しないわよ」
「あと人を騙したりとか利用したりとかいじめたりとか」
「全部しないわよ」
「そうでしょ」
「というか今あんたが言ったの全部アウトよ」
それこそというのだ。
「本当にね」
「行いがそうならね」
それならというのだ。
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