八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百六十八話 敵は必ず敗れるその九
「モンゴル位であったな」
「ああ、モンゴル帝国ですね」
「あの者達は特に訓練はしなかった」
「生活自体が訓練ですか」
「そうであった」
彼等の場合はというのだ。
「弓矢を使い何よりもな」
「馬ですね」
「歩くより先に馬に乗っておった」
「それでいつも馬に乗っていて」
「狩りをしておってな」
そこで弓矢を使っていてというのだ。
「それでじゃ」
「軍事訓練をしていて」
「暮らし自体がな」
それでというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「スパルタの様な訓練はしなかった」
「そうする必要がなくて」
「そうじゃ、それとじゃ」
博士は野上君にさらに話した。
「モンゴルの大平原におった」
「地球の頃は」
「極寒のな」
「滅茶苦茶過酷ですね」
「冬は長く何かあるとじゃ」
それこそというのだ。
「餓える様なな」
「羊や馬に何かあるとですね」
「そこでずっと遊牧で暮らしておった」
「スパルタみたいに意識して厳しくしなくても」
「最初からじゃ」
まさにというのだ。
「過酷でな」
「そうした中にいたので」
「それでじゃ」
まさにというのだ。
「モンゴル人はな」
「普通に強かったんですね」
「贅沢を卑しみ避けるのではなくな」
「最初からですね」
「そんなものはなかった」
モンゴルの大平原ではというのだ。
「それで暮らし自体がな」
「そんなもので」
「それでじゃ」
「モンゴル人は強かったんですか」
「戦術は違う」
これはというのだ。
「全くな」
「スパルタは歩兵でしたね」
「そうじゃ、完全武装のな」
「盾と鎧兜で身を固めて」
「そして武器を持ったな」
「完全武装の兵士でしたね」
「それに対してな」
博士はさらに話した。
「モンゴルはというと」
「騎兵でしたね」
「軽装でな」
「もう普段通りの服で」
「帽子でじゃ」
「弓矢と刀持ってましたね」
「そうした装備であった」
まさに着のみ着のままで戦っていたのだ。
ページ上へ戻る