| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

犬のレインコート

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

「家族で何度かお話してる様に」
「そうだよな」
「だから雨でもね」
「散歩に出たがるな」
「濡れても平気なのよ」
「ふわりだってな」
「けれどね」
 それでもとだ、ここで母は言った。
「濡れるとね」
「後で拭くの大変だしな」
「どうしても足は濡れるけれど」  
 雨の中散歩をするとだ。
「頭から被せて足の方も覆うけれど」
「足の先とか濡れるよな」
「それでも身体全体濡れるよりはね」
「後で拭くの楽だな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「雨の日はよ」
「ふわりがよくてもな」
「後で拭く方がね」
 即ち他の家族がというのだ。
「大変だからね」
「レインコート着せるんだな」
「そうよ、ふわりはあまり好きじゃないみたいだけれど」
 レインコートを着ることはというのだ。
「それでもよ」
「拭く方は楽だからか」
「お散歩の時はね」
「レインコート着せるか」
「犬は毛が多いから」
「濡れると大変だな」
「そう、それでね」 
 そのうえでというのだ。
「雨の日は」
「絶対にレインコート着せるんだな」
「ふわりもお散歩に行きたいし」
 雨の日もというのだ。
「それだったらよ」
「レインコートは着てもらうか」
「雨の日のお散歩の時はね」
 こう言ってだ。
 息子と共にふわりの散歩を続けた、すると。
 ふわりは楽しそうに散歩をしていた、確かにレインコートはあまり好きそうでなく動きにくそうだったが。
 それでも散歩自体は楽しそうにしていた、母子はそんな彼女を見て自然と笑顔になって散歩を続けた。


犬のレインコート   完


                  2022・8・25 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧