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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百二十五話 丈、学問をするのことその一

                              第百二十五話  丈、学問をするのこと
 赤壁での戦いは終わった。それを受けてだ。
 劉備は主だった者達にだ。こう言うのだった。
「ええと。戦いは終わりましたし」
「はい。敵はまだいますが」
「それでも戦い自体は終わりました」
 そのことは間違いないとだ。孔明と鳳統が答える。
 そのうえでだ。軍師二人はこうも話す。
「これ以上この赤壁にいても意味がありません」
「ですからここはです」
「都に帰るべきなのね」
「はい、そうです」
「そうするべきです」
 これが軍師二人の案だった。
「そして都で何時でも出陣できるようにしてです」
「敵がまた仕掛けてくるのを待ちましょう」
「何だよ、こっちからは仕掛けられないのかよ」
 孔明と鳳統の話を聞いてだ。覇王丸が言ってきた。
「何ていうかな。歯痒い話だよな」
「仕方ありません。彼等は神出鬼没です」
「何時何処に出てくるかわかりませんから」
 だからだというのだ。彼女達はこう言うのだった。
「都で敵を待ち受けるべきです」
「そうして敵が来たところに向かいましょう」
「まあそれしかないな」
 今言ったのはラルフだった。軍人として述べる彼だった。
「迂闊に動いても何にもならないからな」
「むしろそこを付け込まれてだな」
 クラークは明るい口調だが指摘していることは厳しい。
「一発でやられちまうな」
「それならですね」
「今は」
「ああ。待つことが一番だ」
 クラークはレオナとウィップにも述べてみせた。
「待つことも戦いのうちさ」
「赤壁にいては例えば西方に出て来ればです」
「対応しにくいものがあります」
 孔明と鳳統がまた話す。
「ですから一旦です」
「都に戻るべきです」
「それがいいわね」
 ここで言ったのは孫策だった。
「全ての道は都に通ずだから」
「はい、都からあらゆる場所への道が敷かれています」
「ですからすぐに対応できますので」
「一旦都に戻りましょう」
「それもすぐに」
 中央集権国家故にだった。道は都である洛陽から出ているのだ。
 それでなのだった。二人はまずは都に戻ろうというのだ。
 二人の案を聞いてだ。劉備はだ。
 一同を見回してからだ。こう言うのだった。
「ではどうされますか、今回は」
「ええ、それでいいわ」
「異存はありませんわ」
 まずは曹操と袁紹が答える。
「戦いは終わったりこれ以上ここにいてもね」
「何にもなりませんわ」
「私も二人と同じ意見よ」
 孫策は右手を挙げて賛成の意思表示をしながら述べた。
「都に戻った方が何かと対応しやすいわ」
「その通りじゃな」
 袁術も同じ意見だった。
「こんなところにずっといても仕方がない。戻るべきじゃ」
「私もそう思うわ」 
 董卓ではなかった。妹の董白だ。まだ董卓は表には出られるようにはなっていないのだ。
 それで妹の彼女がいてだ。こう言ったのである。
「都にいた方が話も伝わってくるし対応も容易だしね」
「では決まりですね」
 彼女達の話を受けてだ。劉備もだった。
 納得する顔で頷きだ。あらためて一同に告げたのだった。
 全軍すぐに都への撤収に入る。その中でだ。
 タンは額の汗を拭きながら己の天幕をなおしている。それを見てだ。
 
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