DQ3 そして現実へ… (リュカ伝その2)
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物々レンタル期間終了
<グリンラッド>
リュカ達は変化の杖を回収するべく、グリンラッド雪原に住む老人の元へ赴いた。
(コンコン)
小屋の扉をノックして、返事を待つことなく入るリュカ達。
すると其処には…
「いらっしゃ~い!待ってたの~!!もう私の○○○は濡れ濡れで準備OKよ!」
と、ビアンカの姿をした人物が、丸裸で股を開き目の前に座っていた!
(ゴスッ!!)
「ふざけんなクソ爺!何、ビアンカの姿で勝手に売春してやがるんだ!!」
凄まじい勢いで、変化した老人を殴りつけるリュカ!
老人が生きているのは、インパクトの瞬間ビアンカの姿に惑わされ、力を入れきらなかった為だろう…
「ち、違う…誤解だ!ワシは売春などしとらん!ただ、来る人みんなを驚かしていただけだって!ワシだって男に犯されるのは嫌だからな!」
「知るかボケェ!ビアンカの姿でやるんじゃねぇ!」
「だってしょうがないだろ…ワシの知る限りで一番の美女なんだから!…ほれ、そっちの兄ちゃんなんかは、刺激が強すぎた様で鼻血出しとるぞ!」
振り向くとティミーが鼻から大量に出血している…
「お、お前…母親の裸で興奮するなよ!」
「ち、違いますよ…急だったから…違いますからね!」
ティミーは右手で鼻を覆い、懸命に止血を試みるが、なかなか止まってくれない。
「何と!?そんなに大きな息子が居るんか!?この体…そうは見えんのぉ…」
ビアンカに変化した老人は、自分の体を見つめ驚き呟いた。
「てめぇ~…さっさと服着るか、その変化を解け!人の嫁汚しやがって、ぶっ殺すぞコノヤロー!!」
側に置いてあったテーブルから、テーブルクロスを取り、老人(姿はビアンカ)に投げ付けるリュカ!
老人は言われた通り変化を解き、テーブルクロスで股間を隠し脱いだ服まで歩いて行く…
だが着替える時は完全に丸出しだった!
「さて…もうレンタル期間終了か…惜しいのぉ」
「うるさい!さっさと杖を返せバカ!碌な事に使わない!!これなら、何処ぞの国王に化けて国政を壟断した奴の方がまだマシだ!」
リュカは老人から変化の杖を引ったくると、懐から船乗りの骨を取り出し手渡す。
「のう、期間を延長してはくれんかいな!?別のアイテムを進呈するぞ!」
老人は奇妙な杖を取り出し、期間延長の交渉を始める。
「これはな『理力の杖』と言ってな、力の弱い魔法使い系用の武器なんだ。装備した者の魔法力を攻撃力に変え、敵に大打撃を与える杖なんだぞ!どうだ?コレと交換で…」
「要らん!魔法使い系が接近戦を行っている時点で、そのパーティーは終わりだ!魔法使いは、直接攻撃の届かない所から、魔法で攻撃をすれば良いんだ!」
リュカはキッパリと言い切り、交渉を断ち切る…
しかし老人も諦めない。
「…では、コレならどうだろう?」
次に持ってきたのは奇妙な植物。
「これはな『消え去り草』と言って、なんとコレを食すと姿が消せるんだ!どうだ、凄いだろう!」
「姿消して何だつーんだバ~カ!何の役にも立たんじゃないか!」
「分かっとらんのぉ…姿を消せば、女湯や女子更衣室に入って観賞しまくりじゃぞ!」
「バカかお前は!?見るだけで何が楽しいんだ!!触って味わって、初めて楽しいんだろが!大体、見るだけだったら直接お願いすれば良いじゃないか!」
「バカはお前だ!お願いしたって見せてくれるわけないだろ!」
呆れた口調で怒鳴る老人…
「そんな事無いもんね!10人中7.8人は、お願いすればベッドイン出来るもんね!」
「そんなのリュカさんだけだろ…」
リュカ限定の意見に呆れる一同。
「ぐ…で、では、これなら!」
そして次に取り出したのは、ハートの形をした砂時計の様な物。
「これは『時の砂』と言って「まぁ!!時の砂ですか!?」
老人の説明を遮りマリーが驚き興味を示す。
「お父さん!時の砂って凄いアイテムなのよ!時間を少しだけ戻す事が出来るの!」
「よく知ってるのぉ…その通り、コレを使用すると5分だけ戻す事が出来るんじゃ!」
マリーの反応に気をよくした老人は、ドヤ顔でリュカに説明する。
しかしリュカは、怪訝そうな顔をして言い放つ…
「5分戻したからって何だっての!?まだ姿を消せた方が役立つじゃねぇーか!」
「お父さん…聞いて下さい。今後私達の前に、幾多の強敵が現れると思われます!そんな強敵等はどの様な戦い方をするのか分かってません。それなのに、行き当たりばったりで戦い、即死する様な攻撃をされたらどうします!?でも、この時の砂があれば大丈夫!私達の誰かが死んでしまっても、死ぬ前までに時間を戻せば、敵の攻撃に対し対処法を見いだせるのですよ!これって凄い事よ!」
マリーは皆を見渡し、アイテムの凄さを説明する。
アルルを始め、ティミーやカンダタなど皆が頷き感心している…
が、リュカだけは呆れた様に溜息を吐き、首を横に振っている。
「マリー…お父さんはガッカリだよ…人生にも戦闘にもやり直しなんて無い!だからこそ、その一度に全力を尽くすんだ…その繰り返しで、人は強くなる!でもやり直せると思った時点で、敵を見くびり戦闘を軽視するんだ!そんな戦い方をしたって、人は強くはならない…ここはゲームじゃ無いんだぞ!戦って敵を倒せば、それだけで強くなるワケじゃない!如何に戦い敵を倒したか…それが強さへの要素になるんだ!」
今度はリュカの言葉に感銘を受ける面々…
「さ、流石父さんは凄い!常に心して戦う…人生に楽な道は無いのですね」
「そうだよねティミーさん!それにやり直せたとしても、俺は仲間が死ぬ姿などは見たくないし…」
息子2人がリュカの意見に賛同し、時の砂の不要性を認める。
それによりマリーまでもが、リュカの意見を重視した為、結局老人の交渉は不発に終わる………はずなのだが、彼も諦めない!
「くっそ~…これだけは出したくなかったが…致し方ない!」
そう言って部屋の奥から持ち出してきた物は…
「コレでどうだ!」
1組の衣装だった。
「こ、これは…!」
驚くリュカ…
得意げになる老人…
果たして老人が持ち出した物とは何か!?
そしてリュカは交渉に応じてしまうのか?
ミニモン曰く「ぶっちゃけ、どうでもよくね?」
(ゴス!!)
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