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夢幻水滸伝

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第二百五十話 三つ巴のはじまりその十三

 砲門は既にこちらに向けられている、施はその敵軍を見て言った。
「戦艦が三隻、巡洋艦が七隻駆逐艦は二十隻やな」
「こちらは戦艦は五隻、巡洋艦は十二隻駆逐艦は三十隻です」
「国力の差がそのまま軍艦の数に出てるな」
「そうですね」
「しかし既に敵は布陣を整えていてな」
 施は白に敵軍を見つつ話した。
「そして風上におる」
「機先を制されてますね」
「見事にな」
「数の劣勢を補われます」
「しかもです」
 白澤が目を光らせて言ってきた。
「敵の旗艦海南にです」
「あいつ等がおるか」
「はい、郭様と李様が」
 敵の星の者達がというのだ。
「お二人共おられます」
「そやねんな」
「ここで決着をつけるおつもりの様ですね」
「そやな、しかしな」
「それでもですね」
「これからや」 
 施は強い声で述べた。
「決するのはな」
「これからの戦い次第ですね」
「そうや、自分がここに来たことを察してあっちも来たが」
 それでもとだ、白澤に対して話した。
「それでもな」
「ここはですね」
「裏をかく、ただ王と紅美ちゃんは動かさん」
 陸にいる彼等はというのだ。
「後や、今郭と美蓮ちゃんはあっちにはおらんが」 
「今まさに目の前にいます」
「それでもな」
「攻めさせないですね」
「そや、この戦に勝ったらや」
 その時にというのだ。
「進ませる、そして今はな」
「この戦にですね」
「専念するで」
「わかりました」
「ほなですね」
 白も言ってきた。
「これより」
「海での決戦や」
「わかりました」
「勝つ」
 施は敵艦隊を見て一言で述べた。
「絶対にな」
「そうですね」
「数で有利なだけやない、自分に必勝の策がある」
「必勝のですか」
「そや、今からその策を用いて戦うで」
 風上に既に攻撃態勢を整えて布陣している敵艦隊を見て白に話した、波は静かだがそれは今破られようとしていた。


第二百五十話   完


                    2022・3・15 
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