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夢幻水滸伝

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第二百五十話 三つ巴のはじまりその十一

「縦横に使うもんやな」
「勝つ為には」
「何でも使うものですね」
「それが戦やさかい」
「それで、ですね」
「そや、敵は福州を拠点にしてその前の複雑なリアス式の地形を利用して陣を固めて」
 見れば敵軍を示す赤い駒はそうおかれている、それに対して施の軍は青い駒で表現されて置かれている。
「台湾との海峡の方に水軍を置いてるな」
「はい、艦隊を」
「そうしています」
「それやとまずは敵の水軍を破って」
 自軍の艦隊の駒を動かした、そしてだった。
 敵軍の艦隊に接近させた、それからだった。
 自軍の艦隊の駒を南下させた、そのうえで福州の後方に移動させてだった。
 そこに駒を置いた、そこで二人にまた言った。
「ここにや」
「上陸ですか」
「軍をそうさせるのですね」
「そや、幸い台湾は中立や」
 施は笑ってこのことも話した。
「あそこは黄がおるがな」
「あの方も今統一に必死で」
「大陸にどうかする状況やないですね」
「そや、あいつは野心もないしな」
 黄のその性格も話した。
「今回の戦には絶対中立を宣言してるさかいな」
「そやからですね」
「台湾はですね」
「一切気にせんとな」
 そのうえでというのだ。
「郭達と戦うで」
「ですが黄さんをこちらに引き込むことは」
 紅美はこの戦略を問うた。
「されないですか」
「ああ、それをしても黄は断るわ」
「そやから絶対の中立ですか」
「それを言うてるんや」
「どちらにも与しない」
「あいつはあくまであの島だけを考えてる」
 台湾のことのみをというのだ。
「それでや」
「この度の戦にも中立で」
「絶対のな」
「それで関わらず」
「台湾の統一と統治をな」
 この二つをいうのだ。
「進めてるわ」
「左様ですね」
「そやからですね」
「あいつはええわ」
 施は王と紅美に話した。
「中立でな、こっちにも何もせんし」
「ほなこちらもですね」
「何もしませんね」
「そや、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「今は郭達と戦うが」
「水軍ですか」
「まずそちらでの戦に勝ちますか」
「そうする、白と共に水軍を率いて」
 そうしてというのだ。
「郭達の水軍を破ってな」
「敵の後方に回る」
「そうしますか」
「そして制海権も手に入れる」
 そうもするというのだ。
「制海権はどのみち必要やしな」
「はい、確かに」
「制海権は必要です」
 王と紅美もそれはと頷いた。 
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