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夢幻水滸伝

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第二百五十話 三つ巴のはじまりその八

「鉄道も使うで」
「上海から温州まで線路が敷かれています」
 施に白が言ってきた。
「そしてそこから福建までも」
「そして福建も広東も鉄道が発達してるな」
「そうなってる様ですね」
「その鉄道もや」
 施は白に応えて話した。
「存分にや」
「使っていきますか」
「あれをどう使うかでな」
 それ次第でというのだ。
「戦が大きく左右される」
「補給に使えますね」
「輸送にな、かなりの人やものを迅速に運べる」
 この利点があるというのだ。
「これを使わん手はない」
「そやから勢力圏の鉄道も整えてきましたね」
「まだこれからやけどな」
 それでもとだ、施は白に答えた。
「産業全体にも貢献するしな」
「その輸送力がですね」
「水路とな」
 中国の南のこれと、というのだ。この世界でもこの国は北馬南船の地形であり淮水から南は長江を中心として多くの川や湖が存在しているのだ。
「それを使ってな」
「そうしてですね」
「流通を整えてきたが」
「この度もですね」
「多くの人やものをや」 
 軍のそういったものをというのだ。
「輸送してな」
「戦っていきますね」
「そうしてくで」
「占領したならその地のものもですね」
「使ってな」 
 そのうえでというのだ。
「やってくで」
「わかりました」
 白は施のその言葉に頷いた。
「それでは」
「馬に水路にな」
「鉄道をですね」
「最大限に使ってくで」
「わかりました」
「まずは温州に集結させるわ」
 その六十万の兵をというのだ。
「水軍とな」
「ではそれにかかりましょう」 
 蒲も言って来た。
「まずは」
「大軍を迅速に集結させるにはな」
「水路と鉄道ですね」
「それを使うで」
 笑顔で言ってだった。
 施は水路に馬そして鉄道を最大限使ってだった。
 温州に六十万の兵とそれに用いる物資を集め湖南省に進める十万の兵もそうした。そして境の防御にもそうさせてだった。
 施は温州から進軍を命じた、彼はこの時武具に身を包んでだった。
 白澤に乗っていた、そうして白澤に対して話した。
「ほな今からな」
「福建攻めですね」
「まずはな、一つずつや」
「攻めていきますね」
「こちらの守りを固めて別動隊も送ってな」
「そのうえで主力で攻めていく」
「そうしていくとや」
 施は白澤に笑って話した。
「敵も対応に困るやろ」
「はい、攻めてきた国の領土を攻めるやり方もありますが」
「これをするにはや」
 史記にもある戦略だ、斉は魏に攻められている韓を救う為に魏の領土に攻め込んでこの国の軍を韓から退かせたのだ。 
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