イベリス
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第六十二話 命の大切さその十一
「何になるの?」
「そんなこと気にするのなら自分がお寺の中で修行してでしょ」
「偉くなってね」
「意見すればいいわね」
「ただ修行させてもらっただけで言っても」
「それも三ヶ月位ね」
「三ヶ月やその辺りでわかる筈ないわよ」
咲は何を言っているのやらという顔で述べた。
「そんなこと私でもわかるわよ」
「お寺の子供さんがどうとか言ってね」
「もっとどうでもよくない?」
「そんなこと言って修行させてもらったことに感謝しないで」
「どうでもいいことの文句ばかり言ってたら」
「救われる筈ないでしょ」
「信仰心ないのよね、その人」
咲は母にこのことを問うた。
「そうよね」
「全くね」
「だったらね」
「救われないでしょ」
「絶対にね」
咲は言い切った。
「まあそんな人って信仰心はね」
「ないと思ったでしょ」
「あったらね」
それならというのだ。
「そっちを考えて」
「観光とかどうでもいいわね」
「檀家制度とかね」
「人は何かを批判しているつもりになると偉く思えるのよ」
「あっ、批評出来る自分偉いね」
咲もそれはわかった。
「相手の悪いところわかって指摘出来る自分」
「わかるのね」
「だってネットでよくいるから」
そうしたことを行う輩はというのだ。
「文句ばかり言って」
「漫画やアニメのよね」
「ええ、人が面白いって言っても」
それでもというのだ。
「違う自分偉いとでも思ってて」
「文句ばかり言うのね」
「それで自分はそれだけなのよ」
文句を言うだけだというのだ。
「何もしないのよ、ユーチューブで動画も作らないし」
「ただ言うだけね」
「観ているだけでね」
その作品をというのだ。
「そのことを思ったら」
「わかるでしょ」
「そんな人は救われないわね」
「本当に救われるにもね」
「ある程度のものが必要なのね」
「何もないというか悪いものばかり持ってる人は」
それこそというのだ。
「何があってもね」
「救われないのね」
「そうよ」
こう娘に話した。
「だから咲もね」
「救われる様に」
「努力して」
そうしてというのだ。
「救われるだけのものは備えてね」
「そうしていくわね」
「まあどんな教えでも救われない人なんて」
母は眉を顰めさせ考える顔になって話した。
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