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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三十五話 断罪王Σと復讐美少女ツクネ。楽しそうに人の悪口ばかり言っているくせに、自分の悪口を言われると馬鹿みたいに騒ぎ出すやつは、見ず知らずの人間にすれ違いざまに耳元で意味不明な呪文を唱えられろ!

マヒロちゃんの家から盗んだユキヤの衣服を身に着けた僕は夜道を歩く。
美少女が公園のブランコに乗っている。
「どうかしたのかい?」
「お母さんがね、死んじゃったの」
「病気かい?」
「お父さんは?」
「ずっと昔に浮気してお母さんと離婚しちゃったのよ」
「君、名前は?」
「ツクネ」
「ツクネちゃんか、面白い名前だね」
「私、今日、お父さんの家に行ってきたの」
「うん」
「そしたら、お父さん離婚の原因になった浮気相手の女の人と結婚してて、しかも子供がいたの。お父さんとっても幸せそうだった」
「むかつくね」
「そうよ、むかつくわ!浮気したのはお父さんのほうなのに、どうしてお母さんと私よりお父さんの方が幸せそうなのよ!こんなの絶対おかしいわ!」
「じゃあ、ぶっ壊そうよ」
「ぶっ壊す?」
「うん、ツクネちゃんが全部ぶっ壊すんだよお父さんの新しい家族を。そうすれば天国のお母さんもきっと喜ぶよ」
「でも、私、実は明日からお父さんの家で暮らすことになってるのよ」
「そっか、でもそれはむしろチャンスだね」
「チャンス?」
「ああ、これ、あげるよ」
僕は自分の耳からピンク色の小さな卵を取り出してツクネちゃんに渡した。
「わぁ~かわいい卵」
「そうだろ、それを大事に温めていれば、いつか必ずツクネちゃんを幸せにしてくれる」
「どうやって幸せにしてくれるの?」
「それはあとでのお楽しみだよ」
僕とツクネちゃんはお互いの携帯の連絡先を交換した。
数日後、ツクネちゃんから電話がかかってきた。
「どうしたんだい?」
「おじさん、大変なの!今すぐ家に来て!」
僕はツクネちゃんに教えてもらった住所の場所に急ぐ。
すると、男二人と女一人が小さな生き物に暴力をふるっていた。
その後ろでツクネちゃんが泣いている。
「お父さんやめて!」
「おい!なにやってんだ!」
「なんだ!お前は!俺達は化け物を退治してるだけだ!」
ツクネちゃんのお父さんと再婚相手とその間に産まれた男子が暴力をふるっていたのは、僕がツクネちゃんにあげた卵から産まれた断罪虫だった。
「ツクネちゃんの言う通りだ!今すぐ、その虫に攻撃するのをやめるんだ!」
「ふざけたこと言うな!害虫駆除してなにがいけないんだ!」
「そうよ、こんな気味の悪い虫の卵なんて隠し持って、最初からツクネなんて引き取らなきゃよかったのよ」
「僕もママの言う通りだと思う」
「おい、お前ら今すぐ、その虫に攻撃するのをやめろ!死にたいのか?」
もう、遅かった。
ストレスで急成長した断罪虫がツクネちゃんのお父さんとお父さんの再婚相手との間にできた男の子を食べてしまった。
「い、いきなり、大きくなった」
そう、死を察知した断罪虫が自分の身を守るために急成長したのだ。
そして、その姿を変えていく。
「ヒロキ...!」
恐らく先ほど断罪虫に食べられた男の子の名前だろう。
ヒロキを食べた断罪虫はヒロキそっくりの姿になる。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「なにが起こっているんだ?ヒロキが虫に食われたと思ったら、今度はヒロキを食った虫がヒロキになってしまった」
「ママ、だっこして」
ヒロキの姿をした断罪虫がヒロキの母親にハグを要求する。
「いやあぁぁぁぁッ!あんたはヒロキじゃないわ!あっちに行って!」
「ママ、だっこして」
「おじさん、コレどうなってるの?」
ツクネが僕に疑問を口にする。
「断罪虫が理不尽な死から自分の身を守るために急激に成長したんだ」
「ママ、だっこして」
「いやぁぁッ!来ないでぇぇッ!うぐああああああッ!」
ヒロキの母親を無理やりハグしたヒロキの姿をした断罪虫の口から無数の触手が飛び出してヒロキの母親の口と鼻と耳の穴に侵入する。
「ママ、だっこして」
ヒロキの母親の体がヒロキそっくりに変化する。
「ママ、だっこして」
ヒロキの顔をしたヒロキの母親がツクネちゃんの父親にハグを要求する。
「死んだはずのヒロキがまた増えた!それに俺はママじゃない!」
「お父さん、とにかく、ここから逃げよう!」
ツクネちゃんが父親の手を取って走り出す。
僕も笑うのを我慢しながらツクネちゃんとツクネちゃんのお父さんの後を追う。
「まさかね、ツクネちゃんにあげたあの卵がこんなことになるなんてね」
「おじさんはこうなることがわかってて、わたしにあの卵をくれたの?」
「なんだと!貴様がツクネにあの気味の悪い卵を渡したのか!」
「僕はただツクネちゃんの護身用にあの卵を渡しただけなんだ」
「うそをつくな!」
ツクネちゃんのお父さんが僕の胸倉をつかんでくる。
「うそじゃありませんよ、大体あなたが浮気せずにずっとツクネちゃんの傍にいてくれれば、僕が深夜の公園でツクネちゃんと出会うこともなかったんだ」
「ひ、人のせいにするな!」
「そ、そうよ!お、お父さんが私とお母さんを裏切らなければ、お母さんを亡くして落ち込んだ私が深夜の公園に行くこともなかった。仮に行こうとしても、お父さんがそばにいれば深夜の外出を引き留めてくれた!」
「おい、お前ら、わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇ!」
「全部、ツクネちゃんとツクネちゃんのお父さんが悪い」
「おじさんの言う通りよ、全部お父さんが悪いのよ!」
「お前らになにがわかるんだよ!いいか?女なんて生き物はなぁ!結婚する前とした後じゃ、ほとんど別の生き物なんだよ!ツクネの母親はツクネが産まれてから、俺と一度もセッ●スしてくれなかった!何回誘ってもテレビが見たいと言って、外で嫁やツクネの生活費を稼いでいる俺を慰めてくれなかった!ツクネの母親は俺の収入で楽するために俺に近づいて、俺と結婚してツクネを出産したんだ!俺はツクネの母親に騙されたんだ!」
「それが理由で浮気したの?」
「ああ、そうだよ、ヒロキの母親はツクネの母親と違ってセッ●スが好きな女だった!俺が会社でつらい思いをしたときも、ヒロキの母親はセッ●スで俺を何度も慰め、癒してくれた!」
「そんな自分勝手理由で私とお母さんを裏切ったの?」
「ああ、そうさ!俺はお前とお前の母親のために一生懸命働いたさ、でもお前の母親は俺がつらいときセッ●スして慰めてくれなかった!お前の母親は俺との愛を育むことよりテレビ番組を見ることのほうが大事だったんだ!」
「お母さんだって小さい私の面倒を見てて疲れてたのよ!お父さんのことが嫌いだったわけじゃないわ!きっと」
「そんなのもう確かめようがないだろうが!」
「一つだけ、確かめられる方法がありますよ」
僕たちの目の前に僕たちを追ってきたと思われる二体のヒロキが現れる。
「こうするんです」
僕はツクネちゃんのお父さんを両手で持ち上げて、二体のヒロキのいる方向に投げる。
二体のヒロキの口から放たれた無数の触手がツクネちゃんのお父さんの口と鼻と耳の穴に入り、ツクネちゃんのお父さんもヒロキに姿を変える。
「おじさん!どうしてお父さんにあんなことをしたの?」
「だってツクネちゃんのお母さんはもう天国にいるんだから、ツクネちゃんのお父さんも天国に行けば、さっき言ってたことの確認ができるだろ?」
「お父さんを、お父さんを返してよ!」
ツクネちゃんが足元に落ちていた石を拾って僕に投げてくる。
石は僕の額にあたって、血が流れる。
僕の中でなにかが破裂する音がした。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は三体のヒロキを食べると、ツクネちゃんを両手で持ち上げる。
「ツクネちゃん、復讐なんて無意味なんだよ」
僕はツクネちゃんを食べる。
「これで、お母さんとお父さんと一緒になれるね」
夕焼けがまぶしい。

次回予告 断罪王Σと美少女歌手ルル。仕事中にしょうもないことで大声を出すやつは、冷凍食品を電子レンジで温めずに流水解凍して食べろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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