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八条学園騒動記

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第六百六十六話 巨砲からその六

「無敵の悪役なぞいてよいか」
「ああ、どうしても倒せない」
「例えばサスペンスものに異能系バトルの最後の敵が出てな」
 所謂ラスボスがというのだ。
「好き放題暴れてキャラを殺しまくってはどうじゃ」
「サスペンスものに異能系の敵ですか」
「それも最後に出て来る様なじゃ」
「無茶苦茶強い奴ですね」
「そうした奴が出て来てな」
 そうなってというのだ。
「面白いか」
「それだとこっちは普通の人間ですね」
 野上君はサスペンスと聞いて答えた。
「そうですね」
「そうじゃ」
「そこに異能系ですか」
「そうしてみるとどうじゃ」
「普通のキャラにそんな敵倒せないですよ」 
 全くというのだ。
「それこそ」
「そうじゃな」
「明らかに作品間違えてますよ」
 出るそれをというのだ。
「まさに」
「そうであるな」
「そんなことしたら敵がです」
「やりたい放題であるな」
「作品として駄目ですよ」
「主人公が無敵なのと敵が無敵なのどちらがいい」
 博士は野上君に問うた。
「一体」
「どっちも作品バランス悪いですがまだ主人公の方がましですね」
 野上君は即座に答えた。
「遥かに」
「そうであるな」
「無敵主人公はそれはそれでストーリーが成り立ちます」
 作品のそれがというのだ。
「幾ら主人公にとって都合のいい展開ばかりでも」
「それでもあるな」
「はい、まだです」
 実際にというのだ。
「そうなります」
「そうじゃな」
「それにです」
 野上君は無敵主人公についてさらに話した、こうした主人公が出る作品はこの時代にも存在しているのだ。
「無敵主人公もそれはそれで書くには」
「ある程度の資質が必要じゃ」
「そうですよね」
「少なくともそうした作品を読んでな」
 所謂無敵主人公ものはというのだ。
「知っておらんとな」
「書けないですね」
「そして描けん」
 まさにというのだ。 
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