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八条学園騒動記

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第六百六十六話 巨砲からその五

「それだけ強い、しかしその巨砲もな」
「一度発射するとですか」
「連射は出来ん」
「そこが狙い目ですか」
「要塞さえ一撃で完全に破壊出来る巨砲であるが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですか」
「このマシンとバリアの装甲ならな」
 それならばというのだ。
「全くじゃ」
「通じませんか」
「うむ」
 まさにというのだ。
「ダメージは受けるがのう」
「破壊されはしないですか」
「相手の戦闘力はわかっておる」
 博士は野上君に見極めている目で話した。
「そこは計算してじゃ」
「開発されたんですね」
「そうした」
「あれっ、おかしいよ」
 タロは博士の話をここまで聞いて首を傾げさせた。
「相手の戦闘力、その巨砲の威力もわかってるね」
「そうじゃ、完璧にな」
「だったらダメージを完全に無効化しないの?」
「博士だったら出来るよな」
 ライゾウも言ってきた。
「そうだよな」
「そうだよね」
「何でそうしないんだよ」
「不思議だね」
「無傷で簡単に何でも出来て何が面白い」
 博士は野上君に平然として答えた。
「だからじゃ」
「それでなんだ」
「完全に防げる様にしなかったんだ」
「そうじゃ」
 まさにとだ、博士は二匹に答えた。
「わしは絶対に無敵にはせん」
「そうした開発はしないんだ」
「造ったものはか」
「苦戦してじゃ」
 そうしてというのだ。
「そのうえで戦い抜くのがよいではないか」
「博士って無敵主人公嫌いですか」
「うむ」
 博士はまた野上君に答えた。
「左様じゃ」
「そうなんですね」
「そうじゃ、だからな」
 それでというのだ。
「そうした風に造った」
「そうですか」
「わしは人類から見れば悪役じゃ」
 博士は語った。
「そうであるな」
「はい、完全に」
「悪役が強いのはよいが」
 しかしというのだ。 
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