レーヴァティン
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第二百五十六話 宴を楽しみつつその八
「真理はいつも簡単ぜよ」
「わかりやすいでありますな」
「それを小難しく言う必要はないぜよ」
当季は強い声で語った。
「難しい話に実は中身はないものぜよ」
「そうでありますな」
「それが戦後最大の思想家と呼ぶなら」
それならというだ。
「戦後の日本のおつむの中は酷いものぜよ」
「知性は絶望的に低いでありますな」
「そうぜよ、そんな馬鹿が戦後最大の思想家ならのう」
それこそというのだ。
「絶望的ぜよ」
「戦後の日本を考えますと」
「そうぜよ、繫栄してもそれなら」
その様な輩が戦後最大の思想家と持て囃されるならというのだ。
「酷いものぜよ」
「まともな知識人ならでござるな」
「そうぜよ」
こう話したのだった。
「そんな奴の本は最初から読まないぜよ」
「何を言ってるかわからない時点で」
「まやかしと見抜いてのう」
そうしてというのだ。
「読まないぜよ」
「そうであります」
「それがわからんきに」
当季は考える顔で話した。
「日本の知識人は駄目ぜよ」
「そうなったであります」
「難しいイコール凄いか」
そもそもというのだ。
「そうではないぜよ」
「真理は簡単でござる」
「単純明快ぜよ」
その実はというのだ。
「そんなの書いていて果てはカルトの教祖を褒め讃えるならぜよ」
「まさにたかが知れているであります」
「文字通りにのう」
「ゼロどころかマイナスであります」
「全くぜよ、そんな奴の本は読む価値ないぜよ」
「そうであります」
「まさにだよな」
久志は赤ワインを飲みながら話した。
「そんな奴の本を読むならな」
「漫画を読むとだ」
英雄はピザを食べそれから久志に応えた、ピザの生地と熱で溶けているチーズそこにトマトとベーコンの組み合わせにいいものを感じている。
「学べる」
「そうだよな」
「そんな奴の本を読んでも何も得られない」
「というか訳のわからない文章を読んで」
久志もピザを食べた、それから話した。
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