八条学園騒動記
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第六百六十五話 とんだ迷惑その十三
「あの扉の廊下のすぐ突き当りにじゃ」
「トイレがあってか」
「用を足せるんだね」
「左様、そしてな」
それでというのだ。
「左の扉には浴室がある」
「お風呂もあるんですね」
「しっかりとな、それとそこから寝室にも行ける」
今度は野上君に話した。
「寝たくなればな」
「そこで寝ればいいんですね」
「うむ、そして脱出路もあるからな」
「左の扉の方にですか」
「瞬間移動で研究所に戻れるが」
それでもというのだ。
「そこからもじゃ」
「逃げられますか」
「脱出のことも考えんとのう」
博士はワインを飲みながら話した。
「やはりな」
「そうですよね」
「マシンはな」
「脱出出来ないと、ですね」
「意味はない、その辺りのならず者を脱出不能のミサイルに載せて飛ばすなら兎も角」
勿論最初から殺すつもりである。
「普通はじゃ」
「脱出のこともですね」
「考えてな」
そうしてというのだ。
「開発してな」
「製造しますね」
「うむ」
実際にというのだ。
「しっかりとな」
「そうしないと駄目ですね」
「そうじゃ」
こう言うのだった。
「常にな」
「博士はそこまでお考えですね」
「それでこそマッドサイエンティストじゃ」
「マッドサイエンティストなら脱出は考えないとかは」
「それはヤクザ者等を載せる場合じゃ」
「そうした時はですか」
「最初から殺すつもりであるからな」
「脱出はですか」
「考えておらん」
全くというのだ。
「何もな」
「そうですか」
「そして攻撃でな」
「爆発したり破壊されてもですね」
「よい」
一行にというのだ。
「ああした連中はあらゆることでじゃ」
「殺人を楽しんでますよね」
「わしの趣味の一つであるが」
殺人はというのだ、他には生体実験や危険な兵器の製造や開発も博士の趣味で日々楽しんでいるのだ。
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