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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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50話 小さなGood will

 
前書き
  
 
仮面ライダースナイプ  変身者 白木覗

パンチ力 不明
キック力 不明
ジャンプ力 不明(ひと跳び)
走力 不明(100m)
 
 
μ'sと深い関係を持つ唯一の男性である白木覗が変身するライダー。
 
公式と変わった点はないが他のライダーよりも非常に経験値が高く、他を圧倒する強さがある。
 
また他のフォームについても特に公式と変わったところはない。
  

 






≪BANG BANG CRITICAL FINISH!!≫




「スゲェ...........あの威力は相当だぞ。」
「オメェが言うべきじゃねぇ言葉だけどな。」


確かに俺が言うべき言葉ではないかもしれないが、逆に言ってしまえば俺以外でここまでの威力を出せると言うのはすごいということだ。戦車から発せられた弾丸は3体にヒットし、爆散させた。上級怪人3体を同時に粉砕するその威力はなかなか見られないというものだ。


「そのガシャットどこで——————」
「オイ、落ち着くのはまだ早ェぞ。まだ大仕事が残ってるだろ?」
「あ、ああ!そうだった—————って、おっと。」
「危ないですねぇ..............私の威信に懸けて、この化け物を倒す!!」
「お前に威信なんてあるのかよ———————」
「いいだろう!!オレも一肌脱いでやる。」
「え?」


オロチは眠りから覚め、再び活動を始める。サウザーは躍起になって止めに行った———————別に期待してないけど。
スナイプが取り出したのは、何と俺のガシャットギアデュアルと同じ形状のガシャット。しかし、柄が青ではなく赤紫。どこか重厚感漂うようなものだ。スナイプはそのガシャコンのギアを右に——————


≪バンバンシミュレーションズ!!≫

≪ I ready for Battleship!≫


ループする音声の如く、戦艦と一体化したかのような男を描いたバーチャルロゴから準備完了した戦艦が空中を漂って来る。


「第伍十戦術!」


≪ガチャーン! デュアルアップ!≫

≪スクランブルだ〜! 激突発進! バンバンシミュレーションズ!≫

≪発進!!≫


戦艦はスナイプの全身とドッキング。瞬く間に全身に10門の砲塔を備えた司令官へと姿を変化させる—————仮面ライダースナイプ シミュレーションゲーマー


「第2ミッション開始!!」
「お、おう。」


サウザーが中距離から雷を放ったり、クジラの高水圧や火炎、冷凍ビームな今まで吸収してきたデータのエレメント攻撃を複製したサウザンドジャッカーで行っている。俺は無限ジャンプで飛行し、オロチの顔に直接デンカメンソードを斬りつける。そして、遠距離からスナイプの火門が襲う。まさに最高の戦術だ。

流石のオロチもこの戦術には対応できない!!


「はっ!!どりゃ!!」
「バンバン!!バン!!」
「フン!!」


何か頑張っている感を出そうとしている自分がいるが、正直何も頑張ってはいない。気楽にやっているというものだ。飄々とオロチの攻撃に対応して、最適なカウンターを繰り出しているという、まさに脳死しているかのようなものばかり。そんな攻撃にも飽きた———————


「よし、フィニッシュだ!」
「ちょっと早くねぇか?仕留め切れるか?」
「仕留められるさ。俺たちなら!!」
「やれやれ........」


3人は1列に並んで弱り切ったオロチと対峙する。するとスナイプはバンバンタンクガシャットを俺に渡してきた。


「え?これって..................」
「アイツは多分不死身だ。俺の長年の経験からな。そいつは『不死身の能力を持った奴らを戦車で焼き払うゲーム』だ。」
「へぇ〜でもこれを使うにはこの剣は邪魔だから———————ホイっ」
「私が使うのか?私は別に.........」
「いいからいいから。」


≪ガシャット! キメワザ!≫

≪ガチョーン! キメワザ!≫

≪ モモ・ソード ウラ・ロッド キン・アックス リュウ・ガン ≫


キースラッシャーに1つ寂しくバンバンタンクを差し込む。サウザーは取り敢えず電仮面を一回転させ、スナイプはゲーマドライバーのレバーを閉めて砲塔にエネルギーをチャージする。


≪BANG BANG CRITICAL FIRE!!≫

≪TANK CRITICAL FINISH!!≫


赤・青・黄・紫のデンライナー4つのエネルギー、そして戦車からのエネルギー弾。それらを補助として大きな火焔玉がオロチを仕留める。


爆散・爆発・爆裂。そのエネルギーは綺麗さっぱり怪人たちを一掃してしまっていた。これで一件落着————————というわけには行かないようだ。

俺とスナイプは変身を解除して、オロチが消失した爆煙の元に向かう。


「オロチも........ワームも.........人間か。」
「やっぱりコイツらもか.............」
「え?」
「——————————」

一足遅れてサウザーは無言のまま変身を解除する。それに気づいたスナイプは形相を変えてサウザーの胸ぐらを掴む。


「テメェ————!!テメェがサウザーだったのか!!」
「暴力は止していただきたい。特に、君から恨みを買うようなことに覚えはありませんが———————」
「とぼけんな。お前がラブライブの邪魔をしているのは事実だろうが!!風の噂じゃ、東京破壊はお前の自作自演っていう噂もあるくらいだ。」


怒気を放つスナイプにサウザーはいつものように開き直り、自分の胸ぐらを掴んでいた腕を振り払う。


「言いがかりも止していただきたい。それに君も二十歳を超えた人間だ。証拠を出すという大人のルールも学んでいただきたいものだ。」
「ぐっ..........」
「それに、この件については我が社の範疇を超えている。」
「え?」
「東京破壊の陰謀については納得できる。しかし、このオハラスペックの暴走による怪人への変貌及び怪人の行為については、我が社に何の利益も生み出さない。そんな不効率なことをすると思いますか?」
「————————なるほど、少なくともお前のやったことではないな。」
「じゃあ誰がこんな事を——————」
「さぁな。だが、オハラエンタープライズと関わりのある奴であることに間違いはない。ということで、少し会社内の不正行為に入刀するべきだなw」
「フン。」


サウザーは不満げな表情を抱えて、そそくさと自分の会社内へと帰ってしまった。

そしてようやく俺がスナイプに質問するターンが回ってきたと確信して、早速その男に声をかける。


「もしかしてお前が———————」
「ん?ああ。お前が伊口仙悟の孫だろ?」
「まぁ.........そうかな?」
「何だよその疑問符は。まぁいい。オレがそのオーマジオウの紹介したいやつだよ。」
「じゃあ『おーい!!覗(ねらい)くーん!!!!』え?」


言いかけたところにどこかで聞いたことのあるような、元気はつらつな声で俺の話を掻き消してしまう。そんな声が発せられれば、当然人間的な衝動で後ろを振り向く———————至近距離にやって来るまで目線を送ることしかできなかった。


「急に走り出しちゃうからどこに行ったのかと思ったよ〜!!」
「オレの後をついてきた割にはだいぶ遅かったな。あと《《ことりと海未》》はどうした?」
「いや〜それが........途中で覗君が進んだ道がわからなくなっちゃったから、適当に走りまくってたら逸れちゃって..........」
「はぁ!?逸れた!?大問題じゃねぇか!!」
「え........その.........」


このやってきた女というのがオレンジ色の髪をサイドテールで結った、水色の瞳.............顔の感じを見ただけでどんな人か一瞬で判断できてしまう。少なくともスクールアイドルに関わっている者であれば——————


「穂乃果〜!!」
「穂乃果ちゃ~ん!!」
「あっ!海未ちゃん!ことりちゃん!」
「一体どんな道を行ったんですか..........探すのに苦労しましたよ————」
「だって覗君が急に走っちゃうんだもん!!」
「わざわざ来なくても............」
「——————」


次から次に現れる。独特な結び方のサイドテールをしたグレー色の髪の女と長く澄んだ青色の長髪の女。逆にこれでわからなかったらAqoursの演出家失格だな。

ここでようやく俺の後を追って、祝が辿り着く。


「我が主人!」
「祝!—————コイツらは............」
「ああ、察しのいい君なら分かるだろう?








仮面ライダースナイプこと彼の名は白木 覗(しろき ねらい)。元スクールアイドルμ'sの協力者のような存在であり、1番最初に仮面ライダーになった人物だ。」
「じゃあ........あの3人は—————」
「そう、μ'sのメンバーの高坂穂乃果 園田海未 南ことりだ。」
「嘘だぁ..............」



















—————※——————














「かの有名なAqoursの演出家!?!?評判ではスクールアイドルとしてのパフォーマンスはもちろん、演出の仕方が独特かつ大胆で奇想天外な物として人気を集めているあのAqoursの—————ふわぁ〜!!!!」
「花陽もいつも通りね。」
「そういうにこっちこそ前に会ったことあるらしいけど、ちょっと震えてない?」
「ぐっ、そんなことないわよ!!———————ただ、伊口ファウンデーション会長の孫っていうのも相まって余計に...........」
「まぁ、そこはウチも驚いたけど。」
「凛たちまだそんなに有名人?」
「全く........私も忙しいんだけど?」
「いいじゃない、真姫。私たちの活動的にこの出会いは必須なんだから。」




これは夢じゃないだろうか?しかし現実。秋葉原のファストフード店のテーブルにずらりと並んだ9人。元μ'sメンバーの9人。解散したμ'sメンバーが———————しかもあれから10年経ったというのに全くもって、歳を取ったということを感じさせない美貌だ。しかもより大人っぽくなって、それに磨きがかかっているようにも見える。


「これは——————アイツらには内緒かもな。いや、内緒にしとかないとマズイな。」
「えっと........才君だっけ?」
「え?ああ、そうです。」


俺に最初に声をかけてきたのは穂乃果さん。さすがは元気が売りのリーダーだ。そして気づいている人もいるだろうが、先ほどから俺も無意識に彼女らに敬語になってしまう。


「才君も《《ライダー》》なんだよね?」
「まぁ。」
「そうでしたか..........てっきりライダーは覗だけだと思っていましたが—————」
「俺も前までは俺たちの場所にしか仮面ライダーはいないと思ってました。でもまさかその東京での仮面ライダーってのが、μ'sの協力者だったとは———」
「協力者?冗談よせ。」
「え?」
「いつの間にかそんな立場になっちまったんだよ。オレはそんなの想定してねぇよ。」
「え〜!!そうだったの!?穂乃果ハツミミだよ!?」
「前から言ってるだろうが!!元はといえば、お前が強引に手を引っ張って来るからついて行かざるを得ねぇじゃねぇか!!」
「2人とも!!初対面の人の前で喧嘩なんて恥ずかしくないんですか!?」
「人前で怒るのなら海未ちゃんもいつもしてるにゃー」
「確かにw」
「凛!希!」
「って、言ってるそばからやってるやんw」


何というか—————この賑やかな雰囲気はどこかAqoursにも通づるところがある。人数も関係しているのかもしれないが、それでも絆という物が少なからず役に立っているのは間違いない。

だがここで無駄話をしても仕方がない。

「賑やかなのは大歓迎だが、話を戻そう。」
「あぁ.......そうだったね(汗)」

ことりさんが気の毒そうな困り顔で返してくれる。そしてμ'sのまとめ役とも言える絢瀬絵里さんが話を続ける。

「というか、貴方以外にもライダーは居るのよね?」
「察しがいい。流石はKKEと呼ばれる人だ。確かに、俺以外にもライダーは—————5人ほどだな。」
「そうか.........となると、オレが会っていないライダーは2人か—————」
「え?」

会っていないライダーが2人?ということはここに居る祝を除いての4人のうち2人がμ'sと関わっているということ。となるとそれは絞れて来る。でも何故それを———————?


「何故虎太郎が仮面ライダーだと...........?」
「お前も相当感がいいな。流石は完全無敵のゲーマーってところか。」
「にこさん。」
「な、何よ!?」
「あの時、虎太郎が仮面ライダーだってことを知っていて—————その決意を確かめるための家への呼び止めだったってことですか?」
「べっつに!私はただ、単純に虎太郎が心配だっただけよ!」
「——————なるほど。じゃあそれはオーマジオウが知らせたってことか?」
「オレにはタメ口かよ———————いや、虎太郎が仮面ライダーになったことは告げられたんだよ。」
「告げられた?誰に?」
「それは———————希から伝えた方が良さそうだな。」
「希さんが?」
「じゃあ、ウチから説明させてもらうわ。」


希さんの方が説明しやすいということ————————つまり彼女がそれについての専門知識を持っているということだ。


「神田明神は知ってるよね?」
「ええ、一度東京に来た時にAqours全員で。」
「ウチはそこの巫女をしとるんやけど.............その御神体がウチに告げたんよ。」
「御神体が告げた?そんなこと——————」
「あるんだよ。」
「え?」

そんなことあるわけがない。そう言おうとした俺の音声はスナイプに遮られていた。

「その御神体は意思を持っとるんよ。」
「意思—————?」
「言うなら人間を正しい方向へ導く『善意の塊』みたいなものかな。」
「善意..........」
「そもそも意思があること自体を知る人はほとんどおらんけど、一部の人はこの意思をこう呼んでるみたい。太陽のように照らす光の神『ルー』ってね。」
「ルー............まさか、人工知能なのか?」
「現実的にはそう考えるのが自然だな。実際、空耳ってわけじゃねぇんだ。虎太郎がベルトを手に入れたことは事実だ。」
「そのまま考えれば、ルーが『アークル』を与えたってことか。じゃあ——————!」
「おっと。これ以上は場所を変えようか。」
「場所?」
「オレからお前に伝えることはどこに漏れようがいい話。しかし、お前からのやつはそうではないかもしれない。だから、それは場所を変えてからだ。」
「あぁ.........」


確かにそうだ。これが漏れれば、不穏な噂というのが流れかねない。そして人間が不安になることこそが奴の狙いだ。ならばここで話を変えよう。


「そういえば、前々から聞きたかったんですけど。」
「「「「「「「「「?????」」」」」」」」」
「μ'sの皆さんは今何を?」
「え!?い、いや———————」
「ことりは『あー!!!』???」
「私は『は、ハラショー!』!?!?」
「花陽は」
「え、エージェントよ!!ラブライブの運営の!!」
「えぇ..........」


明らかにことりさんと海未さんと花陽さんの言葉を遮ったぞ..........社会的にヤバい仕事なのか?それはあり得ないと思うのだが——————


「それもありますけど..........それは裏の顔でしょう?」
「うぐっ、で、でも............」
「仕方ねぇな。お前らが言えないなら、オレが言ってやる。」
「いや!ちょっと!!覗!」
「やめなさいよ!!」
「やめねぇよ。しかもこれが現実だろ?まず—————」


絵里さんとにこさんはスナイプの言葉を遮ろうとするが、時すでに遅し。


「ことりはファッションデザイナー。海未は日舞修行兼文筆家。真姫は研修医。凛は陸上選手。花陽はラブライブ実行委員。そして穂乃果は実家の『穂むら』の手伝い。にこは会社員。そして絵里は..........本物のエージェントだなw」
「エージェント.........あっ(察し)」
「この際はっきり言わせてもらうが、穂乃果は手伝いと言いつつサボり魔。にこもあざとくサボり。そして絵里はエージェントが裏の顔と知らずに就職を逃す。これがμ'sの現状。評価は人によるかもしれないが、オレから言わせれば酷すぎることこの上ねぇな。」
「いくら何でもそれは酷くない!?穂乃果だってちゃんと手伝ってるよ!!」
「そうよ!!私は今日はたまたまオフなだけで——————」
「よく言うぜ。予定も話さずに真っ先に此処へ駆けつけたのはお前らじゃねぇか。」
「「ぐぐぐ..............」」
「——————————」

ピロリン

「あっ、メールや。そろそろいい頃なんちゃう?」
「そうだな。じゃ、場所を変えるぞ。」
「あ、あぁ............................」



3人が社会的に死にかけているのだが.............特に絵里さんが—————














 
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