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八条学園騒動記

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第六百六十五話 とんだ迷惑その五

「その分恰好いいだろ」
「はい、本当に」
「そうですね」
「そこはしっかりとして」
「埃一つ付けてないです」
「その恰好よさでな」
 それでというのだ。
「博士にも向かうぞ」
「そうしましょう」
「戦闘の時は作業服ですが」
「作業服にもアイロンをかけてますし」
 連合軍は戦闘の時は軍服ではなくそちらを着るのだ、兵や下士官は青い作業服で士官は濃い紫となっている。
「その作業服を着てです」
「博士と戦いましょう」
「博士もダンディですが」
「俺達も恰好よくですね」
「そうしていくぞ」
 こう言ってだった。
 三等軍曹も軍服から作業服に着替えた、そして。
 そのうえでだ、自分と同じ様に作業服に着替えている兵達に話した。
「いいか、それじゃあな」
「はい、アイロンかけた作業服を着ました」
「それで磨いた安全靴も」
「それならですね」
「これからですね」
「そうだ、今から行くぞ」
 こう話してだった。
 彼等は配置に着いた、そしてだった。
 艦長少将の階級にある彼が言った。
「総員配置に着いたな」
「はい」
 准将の階級にある副長が応えた。
「そうなりました」
「ではだ」
「これよりですね」
「出港だ、そしてだ」
「天本博士と戦いますね」
「迷惑なことだがな」
 艦長もこう考えていた。
「しかしな」
「それでもですね」
「売られた戦いから逃げてはな」
「それではですね」
「軍の名折れだ」
「全くですね」
「連合軍弱兵と言われるが」
 艦長もこう言った。
「しかしな」
「それでもですね」
「これでも戦争には勝った」
「エウロパ戦役でそうなって」
「宇宙海賊の征伐もな」
 これもというのだ。
「果たした、訓練度は低いが」
 実戦のそれはというのだ。
「しかしだ」
「それだけで弱兵か」
「言えない筈だ、優れた装備を持ち」
「その装備を使いこなせれば」
「強い」
 そうだというのだ。 
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