ドリトル先生のダイヤモンド婚式
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第三幕その九
「お酒に麻薬にってね」
「やる人いて」
「それで身体も壊しやすい」
「そのこともあるね」
「ヤクザ屋さんが長生き出来ないことには」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「いつも悪いことを考えているからね」
「それでよね」
「身体を壊しやすい」
「だから長生きするヤクザ屋さんは少ない」
「そういうことだね」
「そうだと思うよ、実際そうした人達を診たら」
お医者さんとしてです。
「若いのに身体壊してる人が多かったよ」
「内臓とかよね」
「それで寿命にも影響している」
「そうなんだね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「僕は実際に思ったよ」
「ヤクザ屋さんは長生きする人が少ない」
「早死にする人が少ない」
「そうした人達だって」
「思ったよ、やっぱり性格がいいに越したことはないね」
しみじみとして思うのでした。
「誰にとっても」
「勿論自分にとっても」
「そういうことだね」
「それじゃあよね」
「性格がよくなる様にする」
「そうした努力も必要だね」
「そう思うよ」
先生はこう言いました、そしてこの後はです。
先生は動物の皆とトミーそれに晩ご飯を持って来た王子と一緒にその晩ご飯を食べました、その晩ご飯はあんこう鍋で。
あんこうや茸に葱、白菜にお豆腐や糸蒟蒻を食べながらです、王子は先生から田中さんのご夫婦のお話を聞いて言いました。
「いいことだね」
「そうだよね」
「六十年も一緒にいられるなんてね、それでね」
あんこうをぽん酢で食べつつ言います。
「先生はだね」
「お静さんにお二人を紹介してもらってね」
「それでだね」
「お祝いをするんだね」
「そうさせてもらうんだ」
王子に笑顔で答えました、お豆腐をはふはふと食べながら。
「その時にね」
「それは何よりだね」
「うん、後はお静さんの返事待ちだよ」
「そうなんだね」
「だからね」
それでというのです。
「今はね」
「お静さんの連絡を待っているんだね」
「そうなんだ、皆とお話をして学問をしてね」
「こうして食べてだね」
「楽しみながらね」
そうしてというのです。
「待っているよ」
「そうなんだね」
「そう、それとね」
「それと?」
「いや、美味しいあんこうだね」
食べているそちらのお話もするのでした。
「これはまた」
「そうだよね、これはね」
王子も笑顔で応えます。
「執事さんがいいあんこうが手に入ったからって」
「それでだね」
「僕に提案してくれたんだ」
「皆で食べようとだね」
「左様です」
その執事さんも一緒に食べています、そのうえで微笑んで答えてくれました。
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