ドリトル先生のダイヤモンド婚式
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第三幕その八
「いいことは何もないね」
「やっぱり性格がよくなる様にしないとね」
トートーも言いました。
「駄目だね」
「周りも迷惑だし自分にもよくない」
「だからね」
オシツオサレツも二つの頭で思いました。
「性格をよくする努力も必要だよ」
「ちゃんとね」
「勉強とかスポーツとか仕事への努力も必要だけれど」
ポリネシアも思いました。
「性格もよね」
「性格悪い人って嫌われるしね」
「そのことも凄く嫌だし」
チープサイドの家族も思いました。
「嫌われるより好かれた方がいいわ」
「何といってもね」
「意地悪や悪口で嫌われてもね」
ジップの言葉はしみじみとしたものでした。
「いいことは何もないからね」
「それじゃあ性格もよくなる様にしないといけないわ」
ガブガブは右の翼を挙げて言いました。
「そうなる様にね」
「さもないとああなる」
ダブダブはふわりの元飼い主の夫婦を思い出しました。
「そういうことだね」
「いや、性格がいいことは誰もを幸せにする」
老馬の口調はしみじみとしたものでした。
「自分自身までね」
「そういうことだよ、性格がいいと自分もだよ」
先生は笑顔でお話しました。
「幸せになるよ」
「長生きも出来るね」
「ダイダモンド婚式を迎えられて」
「そして九十位まで生きられる」
「そうなるね」
「そうだよ、ただ皆がそうかというと」
それはといいますと。
「そうとも限らないからね」
「やっぱりいい人が早く亡くなることもあるし」
「悪い人でも長生きしたりするね」
「悪い人同士で結婚して長続きしたり」
「そんなこともあるわね」
「喧嘩ばかりで物凄く奥さんの性格が悪い夫婦が金婚式まで至ったこともあるよ」
そのケースもあるというのです。
「中にはね、稀でもね」
「稀でもそうしたことがある」
「それが世の中ね」
「そうだよね」
「どうしても」
「世の中は一概には言えないからね」
だからだというのです。
「そうしたこともあるよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「何かあるの?まだ」
「こうした事例はあくまで稀だよ」
そうだというのです。
「やっぱり性格にあまりにも問題のある人はね」
「嫌われるし」
「それでその性格の毒が身体にも影響する」
「それで長く生きられない」
「そうしたものだね」
「そうだよ、ヤクザ屋さんって長生きしないね」
この人達のお話もしました。
「多くは」
「あっ、確かに」
「抗争の中で死ぬ人もいるけれど」
「それでもね」
「長生きする人少ないね」
「どうにも」
「あの人達は生活も問題だけれどね」
生活が不摂生になりやすいというのです。
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