ハッピークローバー
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第二十七話 お菓子を食べつつその六
「堕ちる様だったら」
「どれだけ酷い人か」
「だからね」
「いいところもよね」
「なくてね」
それでというのだ。
「最悪な風になっていて」
「どうにもならないわね」
「誰かの為に何かしようとかね」
「思わなくてね」
「人の役に立ったこともない」
「それだとね」
「いいところなんてないから」
人間ではなくなると、というのだ。心が餓鬼になり。
「まあそうならないと」
「いいところはあるわね」
「誰でもね」
「底を割った?」
留奈はキャラメルを食べながら一華に言った。
「そういうこと?」
「人間としての底を」
「そうしてそこから落ちると」
その割った底の下をというのだ。
「餓鬼になってね」
「もういいところがなくなるのね」
「それこそ汚い場所にずっといて」
「とことん汚くなるのね」
「そうなるんじゃないの?」
「人間としての底ね」
「境界線っていうか」
留奈は一華にこうも言った。
「それがあってね」
「それが底ね」
「その底を割ったらね」
その時はというのだ。
「さらに堕ちたら」
「いいところもなくなるのね」
「そうなるんじゃない?だから人間としてね」
「底は割らないことね」
「それが大事なんじゃないかしら」
こう言いつつキャラメルを噛むのだった。
「人間ね」
「もうそうなったら終わりってことね」
理虹はワインで真っ赤になった顔で羊羹を食べながら言った。
「本当に」
「そうよね、それで人間じゃなくなったら」
「誰からも見放されるわね」
「そうなるわね、というかそこまら堕ちたら」
餓鬼にまでなればというのだ。
「誰からも見放されてもね」
「平気だっていうの」
「そうじゃない?自分さえよければいいから」
そうした考えの輩になっていてというのだ。
「もうね」
「見放されてもなのね」
「人は利用するだけでね」
そうした相手としか考えておらずというのだ。
「もう平気で裏切るしね」
「利用してぽいね」
「そうじゃないの?」
一華は理虹からキャラメルを受け取りつつ言った。
「もうね」
「だから見放されてもなのね」
「そんなことは考えないで」
「利用するだけね」
「当然人が困っていても助けないし気にかけることもね」
「ないのね」
「自分さえよければで」
そうした考えでというのだ。
「行動もね」
「そうしたので」
「だから他人のことも考えないから」
「そんなこともしないのね」
「そうじゃない?」
「見放されてることも気付かない」
「それで努力もしないから」
このこともあってというのだ。
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