まぶらほ 最強にして最高のメイドの主人
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第三十一話 鶴の酌
戦いが終わった事をさくらに報告するため和樹は学校に戻る。
まだ授業もあるし・・・・・・
いろはとアイリには先に屋敷に帰っていろと言って帰らせた。
後リーラにはこのことはいうなよ、但し聞かれたら答えといてくれという事を二人に頼んでおいた。
二人と別れ学校に戻った和樹はさくらに事の顛末を話し終え何事もなく授業に参加した。
義之達に何かあったのかと聞かれたが和樹はちょっとなと言って答えはしなかった。
言いたくないのなら無理に聞くことはないなと思い義之達はそれ以上の追及はしなかった。
授業も全部終わり屋敷に帰宅する。
帰るといつも通りメイド達が和樹を出迎えた。
部屋に戻りカバンを机の上に置きベットに横たわる。
和樹「ふぅ~~~~今日は色々あったな・・・それにしてもあいつが使っていた黒い鎧
確か魔装とか言ってたなあれは俺が使う鎧獣とは根本的に違うようだったしな
・・・・今考えても仕方ないかそのうち何かわかるだろ」
コンコン
敵が使った力の事を考えていると誰かがドアをノックし入室する。
エクセル「マスタ~~~~ご飯の準備ができたよ!」
元気な声が和樹の部屋に響く
和樹「あれ?もうそんな時間か・・分かったすぐに行く。」
ベットから起き上がるとエクセルが和樹の右腕に抱きつく。
和樹「・・・・・なぁ一つ聞いてもいいか?」
エクセル「何マスター?もしかしてあたしのスリーサイズが知りたいの?」
無邪気な笑顔で応える。
和樹「そうじゃなくてだな、なんで俺に抱きつく?」
エクセル「あたしが抱きつきたいから」
おいとツッコミそうになるのをどうにか堪える。
何も言っても無駄と判断した和樹はエクセルが右腕に抱きついたまま食堂へ向かう。
食堂にある程度近づくとエクセルが和樹から離れる。
前に一度和樹に抱きついたまま食堂に入ったとき他のメイド達が烈火のごとく怒り食堂が戦場になった。その場で唯一冷静沈着なメイド・リーラがいつも通りハリセンで部下のメイド達の頭を叩き個人的にリーラが騒動の元凶のエクセルを自室に連れて行き説教した。
リーラの部屋から出てきたエクセルは何か怖いものを見たという顔で出てきた
それ以来エクセル・・・・・
いや、この初音島でメイドになったエリーゼ・いろは・パンテーラ・エクセル・エリート
アイリはなるべくリーラは怒らせないようにしようと心に決めていた。
席についた和樹はエスカレードとシェルビーが作った料理を食べる。
言うまでもなく味は最高で素直にうまいよと二人を褒めると幸福絶頂の顔になる。
食事を食べ終えた和樹は少し休憩して風呂に入り今日の疲れを落としパジャマに着替え部屋に戻るとリーラがいた
高級ワインとグラスそれにツマミ(柿ピー)をカートの上に載せて。
リーラ「和樹様お待ちしておりました。」
和樹に一礼する。
和樹「おっ・・ワインか・・・これ結構高級な奴だろ。」
カートの上に置いてある年季の入っているワインをじっくり見る。
リーラ「前のご主人様のワインセラーから特にいい物を頂戴して参りました。」
和樹「いいのかそんな高級なもんを俺が飲んでも」
リーラ「そのようなことは気にする必要はありません・・・・和樹様の為ですから・・」
最後の方だけ小声で言い少しだけ頬が赤くなる。
周囲から完璧だの冷徹だのと言われてもリーラも年頃の女の子なのだ。
和樹「そうか・・・それじゃ貰おうか。」
折角なので飲もうと思った和樹はテーブルに座るとリーラはグラスにワインを注ぎ和樹の前に置く。それを和樹はゆっくり飲む。
実は和樹は酒が好きだったりする。
祖父に無理やり酒を飲まれたせいで酒好きになり、中々酔わない体質になっている。
和樹「こんな美味いワインを飲んだのは初めてだな美味しいよ・・リーラ」
リーラ「ありがとうございます。こちらも如何でしょうか?」
つまみの柿ピーもテーブルの上に置く。
実はこの柿ピーただの柿ピーではない。
材料はもちろんの事、最高のものを使っているがこの柿ピーを作ったのはリーラだ。
ある意味、この世で一番うまい柿ピーが和樹の目の前にあるのだ。
何も知らない和樹は無造作に柿ピーに手をつける。
和樹「おっ!これもなかなかいけるぞ。」
リーラ「ありがとうございます。」
顔には出さないが心の中ではかなり喜んでいる。
グラスが空になるとリーラがワイン瓶を片手に持ち和樹のグラスに注ぐ。
そんな最高の一時を楽しんでいると。
コンコン
リーラ「誰だ。」
いろは「いろはです、入ってもよろしいでしょうか?旦那様」
和樹「いいぞ。」
いろは「お楽しみの所申し訳ございません。」
和樹「いや気にすることはないよ所で俺に用があるんだろ?」
いろは「あの・・その・・・・え~~~っと・・・」
眼が泳ぎ何を言ったら言いのだろうと思い挙動不審になる。
和樹「・・・リーラ悪いけど席をはずしてくれないか?」
リーラ「かしこまりました。」
一礼し部屋を出る。
いつもの表情で出て言ったリーラだが内心面白くないと思っていた。
和樹「リーラは部屋から出たぞ、これで言えるだろ。」
少しは言い易くなったかと思ったら今度は和樹と二人きりになったことで緊張してしまう。
時間にして十分ぐらいだがそれ以上に長く感じる沈黙が続く・・・・・
いろは「あ・・あの旦那様!私・・私・・・
実は旦那様に秘密にしていたことがあるんです!」
和樹に秘密にしていたことを全て話し始める。
自分は人間じゃない事や昔、和樹に助けられたこと恩返しのために和樹に仕えていることなど全て話した。
和樹「なるほどな・・・あの時助けた鶴だったのか・・・・・・やっぱりな・・」
いろは「え!?旦那様もしかして、私の正体を見抜いていたのですか!?」
和樹「薄薄とな・・・それより右足に巻いている布
もしかしてあの時の奴か?」
いろは「はい・・・今では私の大切なお守りです」
体を少し屈め右足に巻いている白い布を優しく撫でる。
和樹「そうか・・・・でそれがいろはが俺に話したかったことか?」
いろは「でって・・・旦那様は私を咎めないのですか!」
和樹「それは何に対してだ・・俺に対して隠し事をしていた事か?」
いろは「そうです!!」
和樹「人間誰だって隠し事の一つや二つあるもんだぜ。
それをいちいち咎めてたらきりがないよ。
いろは「ですが・・・・・」
和樹「全くいろはは真面目だな・・・そんなに罰が欲しいなら」
いろはに近づき・・・・・額にデコピンする。
いろは「!!??い・・・痛いです・・・」
いきなりデコピンされ驚く。
和樹「これで終わりだこれ以上この事は蒸し返すな。
いつも以上に仕事に励めよ。」
和樹の温かみのある言葉と気持ちを受け取った
いろはは心が熱くなり和樹の胸に抱き付く。
いろは「旦那様・・・旦那様・・旦那様~~~~~」
抱き付いたいろはは赤子のように泣きじゃくる。
そんないろはの背中を子供をあやすように優しく撫でる。
それから十五分ぐらいで落ち着きを取り戻し
和樹から離れ和樹の前に片膝をつきひれ伏す。
いろは「旦那様!今日より私いろはは天地神明に誓いまして今まで以上にご主人様にお仕えいたします!」
今までとは違う気迫と目の輝きが変わったのを見た和樹は心から嬉しく思った和樹はさっきまで飲んでいたワインが置いてある席に座りグラスを持つ。
和樹「いろは、一杯もらえるか?」
いろは「はい!旦那様!」
いろはに酌をさせ注がれたワインを飲む。
和樹「うめぇ」
人として一皮剥けたいろはの酌を受け最高の気分になる。
その後部屋の外に待たせていたリーラを呼び。
リーラといろは・・・交互に酌をさせ最高の酒を楽しんだ。
この後調子に乗った和樹はワインボトルを十本(どれも高級品でアルコール度数もそれなりに高い)近く開け。
翌朝二日酔いになった・・・・・だけでは飽き足らず。
風邪まで併発させてしまい学校を休んだ。
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