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まぶらほ 最強にして最高のメイドの主人

作者:jindam3
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第二十九話 飛龍炎誕

公園にかけられている結界の一部を破壊し禅と対峙する。

なぜ、和樹がこの場にいるのかと言うとそれは・・・・・

四十分前にさかのぼる・・・・・・



学校の午前の授業が終わり昼休みとなりリーラ手製の弁当を食べいつもの面子で談笑し食事を終えてすぐに校内放送の音が響く。

アナウンス「付属三年三組の式森和樹君学長がお呼びです。
すぐに学長室まで来てください」

和樹を呼び出す校内放送が風見学園に響く。

渉「オイオイ和樹お前なんかやらかしたのか!」

杏「和樹もとうとう不良デビューね」

茜「和樹君こわ~~~~い」

和樹「お前らな(怒)」

冷やかす面々に怒りを覚えるも学園長の呼び出しがあったとなっては無視することもできず、教室を出て学園長室に向かう。

和樹「(さくらさんが俺を呼び出すなんてなんかあったのか?)」

風見学園の学長芳乃さくらは和樹にたまにあることをお願いする時がある。

この初音島はごくまれに特殊な力を持った者が存在する。

それは善悪にかからず持っていてその力を使って悪事を働く者の粛清

さくらは和樹が強い事を知っているので、それを和樹に頼むことがある。

本来はそんな危険な事をさせたくないさくらだが和樹は自分から役目を買って出ている。

昔、さくらに可愛がってもらった恩返しに。

そこまで言われてはと思い渋々和樹に協力してもらっている。

また、この島で馬鹿な事をした奴が出たのかと考えていると学長室に着く。

和樹「学園長・・式森和樹です。失礼します。」

ドアを開け入室する。

窓の方を見ていたさくらは椅子を反転させ和樹の方を見る。

和樹「さくらさん何かあったのですか?」

さくらの不安な顔に和樹はこれは只事ではないと推察する。

さくら「実は僕もよく分らないだけど桜公園で誰かが強力な結界を張ったんだよ。」

和樹「結界ですか・・・・それは危険のモノなんですか?」

さくら「今の所危険はないよ・・ただ・・」

和樹「ただ?」

さくら「何か嫌な予感がして・・・・・」

顔がより一層暗くなる。

和樹「わかりました・・その結界を跡形もなく破壊し、
結界を張った奴もボコボコにしてきますよ・・俺に任せて下さい」

さくら「ごめんね和樹君・・・ごめんね・・・」

泣きそうな顔で和樹を見る。

そんなさくらを見た和樹はさくらに微笑む。

和樹「気にしないでください、好きでやっている事ですから・・それでは行ってきます。」

学長室を出て誰にも見つからないように学校を抜けだし桜公園に向かう。















和樹「こいつが結界か・・・普通の人は気付いていないがこいつはおそらく人除けの結界だな」

周りを見渡すと子供達は遊び、主婦たちは子供たちを見守りながら談笑していて結界に全く気付いていない。

和樹「対した結界だが俺の前では無力だな。」

高速の速さで王牙刀を出し結界の一部を高速の太刀筋で切り裂く。

その間わずか一秒。

切裂いたところから結界内に入り破壊した所は自分の力で元通りにする。

関係のない人が傷つかないために・・・・・

結界内を歩いていると火壟魔達に襲われているアイリといろはを見つけ襲い掛かる火壟魔達を高速の太刀筋で粉々に斬り裂いた。

これが、和樹がここまで来た経緯。

そして、時間は戻る。










現在・・・・・・・

禅「ようやく現れたか小僧・・・この日を私は待ち望んでいた・・・・」

恨み事をつぶやくが和樹は禅の言葉を全く聞いておらず前に背中を向けアイリといろはの方を見ていた。

和樹「お前ら大丈夫か?」

アイリ「はい、私達は大丈夫です・・それよりご主人様どうしてここへ?」

和樹「ああそれはな『小僧!!!』ん?」

無視されていることに怒り大声を上げる。

和樹「なんだ、お前は?」

禅「お前私の話を聞いていなかったのか!?」

和樹「ああ」

神経を逆なでする言い方にますます怒り着物の胸元を開き昔和樹に付けられた傷を見せる。

禅「私は五年前貴様に付けられたこの傷の恨みを晴らすために来たのだ!!」

和樹「そんな傷俺つけたか?全然覚えてないわ」

禅「な・・なんだと」

和樹「負かした奴の事なんか覚えてねぇーよ。それに五年前って俺がまだ修行してた頃じゃねぇかあの頃の俺に負けるなんてお前余程弱かったんだな。」

思ったことを言った和樹だが禅は体中を震わせ完全に怒らせている。

禅「貴様!!!」

パチン!!!

親指と中指を合わせて弾き音を鳴らしバラバラになった火壟魔達を復活させようとする

しかし、火壟魔達は無反応で全く復活する気配がない。

禅「なぜだ・・・どうして復活しない!!」

和樹「あいつらはもう使い物にならんぞ」

禅「なんだと・・」

火壟魔達を見て見ると緑色の光に覆われていた。

禅「貴様!私の式神に何をした!!」

和樹「それはすぐに解る」

パチン!!!

今度は和樹が親指と中指を合わせて弾くと火壟魔達を覆っている緑色の光が激しくなりバラバラになっていた火壟魔達が跡形もなく灰になり、火壟魔を召喚した紙札が火壟魔のいた所に残る。

禅「こ・・・これは」

和樹「俺を倒しければそんな物に頼らず自分で戦ったらどうだ」

和樹は火壟魔達を光速の剣で切り裂いた時にジンオウガの雷を付着させ和樹の合図でありとあらゆるものを灰にするジンオウガの雷の伝熱を発動させ灰になるようにしていた。

禅「もとよりそのつもりだ!!」

持っていた棒をかざすと火壟魔を召還した大量の紙札が禅の体中に吸収されていき禅自身が火壟魔になる。

それだけではなく紙札がどんどん禅に吸収されていき体がどんどん大きなっていく。

只ならぬ雰囲気に緊張と警戒が和樹の体中に走る。

和樹「アイリ・いろは離れていろ。」

いろは「し・・しかし・・・旦那様!」

和樹「ちょっとばかり派手な戦いになるかも知れない。俺はお前達を戦いの余波でかすり傷一つ負わせたくはない。もし、お前等がかすり傷の一つでも覆ってしまったら俺は自分を許せなくなる。」

この時いろはは目の前の・・・自分の主に隠し事があるにも関わらずこんなにも温かい言葉をかけてくれる。それを思うと胸を締め付けられる。

アイリ「ご主人様・・私はご主人様の勝利を確信しています。」

和樹に一礼しいろはの手を取りいろはを連れて和樹から離れる。

アイリは悔しかった自分の力のなさで和樹に負担をかけていることを・・・・

そして、もう一つ思っていることがあった。アイリ自身どこかで油断していたのかもしれない自分達が襲撃したのだから早々和樹がまた襲われることはないだろうと・・そんな自分の認識の甘さに嫌気がさしていた。

いろはも自分の無力さを覚えながらあることを心に決めていた。

この一件が片付いたら自分が隠していたことを全部和樹に話そうと。

たとえそれが原因で和樹に仕えることが出来なくなっても・・・・・・

一方禅は最後の紙札を吸収し終わる

召還した火壟魔の三倍近くの大きさになり今度はどんどん縮小していき元のサイズに戻ると全身に纏っていた黒いローブと顔に付いている仮面に亀裂が入り粉々になる。

其処に現れたのは全身に漆黒の鎧を纏い。両肩両ひざには角のようなものが付いており顔には神話の怪物サイクロプスの顔を思わせる兜が顔全体を覆っている。

禅「この姿が私が貴様を倒すために修行して得た力だ!!」

和樹「それがどうした」

大して興味がないように言う。

まるで、そんなものを纏っても俺には勝てないという風に。

禅「受けてみろ私の力を!黒炎華(こくえんか)!!」

黒い桜の花びらの形をした炎が無数に禅の掌から出て和樹に襲い掛かる。

和樹「こんな技で俺がやられるか・・・閃輝雷翔!!」

右手に持っていた王牙刀を振り、緑色の雷を纏った斬撃が無数の黒い桜の花びらの形をした炎に向かっていき黒い桜を切り裂くが数が多く全てを切り裂けず何枚かは和樹の体に付着するがすぐに消えていった和樹は何も感じないし痛くも痒くもないようだ。

和樹「もう少しまともな技で攻撃したらどうだ。
こんなもんじゃ俺には勝てないぞ」

禅「それはどうかな・・私を甘く見ていると地獄を見るぞ」

突然和樹の左肩が黒い炎に包まれる。

アイリ・いろは「「ご主人様(旦那様)!!!」」

あまりにも突然の出来事に悲痛な悲鳴にも近い声を出す。

和樹「こいつは・・・・」

禅「掛ったなあの黒い炎は少しでも相手の体に付着すると燃え全身にいきわたるのだ!
しかもその炎は相手死ぬまで消して消えることはない!!」

ざまぁみろと言わんばかりの声を出すと和樹の左肩を覆っていた黒い炎が和樹の全身を覆われそうになる、持っている王牙刀で黒い炎を振り払おうとするが全く効果がなく黒い炎が和樹の全身を蝕んでいく、そして、和樹は抵抗をやめ一歩も動かなくなる、黒い炎の中で死んでいるかのように・・・・・・

禅「勝った!私はついに勝ったぞ!!私が本気を出せば貴様如き私の敵ではないのだ!!
はっはははははははははは!!!!!!!!」

禅の勝利の笑い声が結界内に響き渡る

いろは「そんな・・・・旦那様・・・旦那様!!!!!!!!!」

アイリ「許さない・・・あなただけは絶対に!!!!!」

最愛の人を殺され憤怒の顔で敵である禅を見据え武器を構える。

禅「小僧も一人では寂しかろうお前らも小僧の後を追うがよい!」

アイリといろはに攻撃しようとするが・・・・

和樹「この程度の炎で俺が燃やせるか」

燃え盛る黒い炎の中で和樹の声がした。

いろは「だ・・旦那様・・・よかった・・・よかったです・・・・」

アイリ「ご主人様・・・・・ご無事で・・ご無事でなに・・よりです。」

和樹が生きていたことが嬉しく泣きながら安堵する。

禅「なっ!!貴様まだ生きていたのか!!!」

和樹「お前に見せてやるよ・・龍の気高き炎をな!」

右手に持っている王牙刀を消しジンオウガの力が入っている勾玉とは別の勾玉を出した。

その勾玉は真っ赤に燃え茶色の龍の鱗を思わせる材質でできていた。

ジンオウガの鎧を纏う時と同じように握りつぶし破壊する和樹の後ろに龍の化身が現れる。

龍の化身は和樹を覆っている黒炎を龍の息吹(ブレス)でかき消すと炎になり和樹を覆う。

禅はあまりにも予想外の出来事に呆然としていた。

和樹を覆っていた炎が消えそこには、龍の鎧リオレウスの鎧を纏っている和樹がいた 
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