IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
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試験勝負!
前書き
相川拓夢
16歳、黒髪に青い瞳。
第三世代機ヴォアライターの搭乗者。
相手との時間がずれて見えるほど、反射神経がずば抜けている。
近接格闘、ゼロ距離戦闘を得意としている。
日曜日、昼の事だ。
アリーナの中央では、ISを纏った一夏と俺が対峙している。
先ほど一次移行が完了した俺の専用機、ヴォアライターの試験運転を兼ねた力試しだ。
ちなみに俺の機体は、ドイツのデータを元に日本の鋭館研究が開発したものだ。
だから日本製だがドイツ語で名前がついているらしい。
「さて一夏。覚悟はいいか・・・?」
「望むところだぜ。言っておくが、俺のほうが専用機じゃ先輩だからな!」
にやっと、少し得意げな顔をする一夏だが。こいつ覚えているんだろうか?俺はお前に勝ったセシリアに勝ってるんだぞ?
普通に考えると、俺のほうが強いってことになるだろ。
「ま、そんな事はいいさ。正々堂々いこうぜ?」
「上等だ。三分でのしてやるから、そのつもりで!」
ガツン!両の拳をあわせたことで響く金属音。
不思議だ、感覚としてはボクシンググローブを嵌めている時と似ているのに、重さとしては素手と変わらない。
一、二度その場で拳を突き出す。ワン・ツー、アッパー。よし、問題なくスムーズに動く。
意識することでどこまでも感覚が広がる。
捉えたぞ。
俺の意識がアリーナ全体を覆うイメージ。どこでなにが起きているのか分かる。感じ取れる。
さて一夏、逃げ場は無いからな?
『それではお二人とも、行きますわよ?』
『レディー・ゴー!!』
「行くぞぉおッ!!」
「ふぅ・・・。ッ!」
セシリアと清香の声。聞こえないけど箒もいる。三人が管制室で戦闘開始の合図をしてくれた。
俺と一夏は同時に飛び出す。
集中しろ、考えるな、感じろ。
スラスターを目一杯吹かせ、全速力で前へ!
打鉄なんて目じゃない。試合で見た白式よりも速い。
景色が線になって後ろへ消えていく感じ。
「はぁああああッ!」
雪片を握る右手が、高速で振り下ろされる。
軌道・縦、速度・まあまあ。対応は・・・。
全力でぶつかる。
「ふっ───!!」
口に溜めた息を一瞬で吹き出し、同時に腰、胴、肩、肘、そして拳を一連の流れで捻りながら突き出す───!!
ガァンッ!
「な、なにっ!?」
狙い通り─ッ!!込められた力は同じでも、速度は圧倒的に俺のほうが上。結果、雪片が弾かれて一夏は大きく体制をくずす。狙いはここだ!
左足踵のスラスター全開。右腕を引き戻す流れで腰を回転、その勢いで左を突き出せッ!!
「う、うわぁああ!!」
イメージ通りだ。計算されたリーチの長さ、白の拳が白式の胸部にクリーンヒット。
「ぐっ、どういう事だ!?ダメージがでかい・・・」
独楽のような横回転に加え、左を突き出すときの捻りが効果を発揮する。
ただ殴られるよりも大きなダメージ。貫通力が加わった分のダメージが、大きくエナジーを削り取る。
更に追撃を仕掛けたが、一瞬判断が遅れたせいで右のストレートは顔面を掠めるだけとなる。
「くそっ、距離が難しいな・・・」
一旦離れて様子を見ようということなのだろう。一夏は斜め後ろに大きく飛びのき距離を取った。
・・・だけどな、それでこのヴォアライターから逃れられると思うなよ?
「一夏、そんな距離じゃ甘いぞ?」
「何?でも、拓夢の武装は近接だけじゃ・・・。まさかっ、銃が!」
「銃はないさ。だが、俺の拳に距離は関係ない!」
そこで一夏は気が付いたようだ。俺の両拳に青色の光が集まっていることに。
「ま、まさか・・・」
「そう、そのまさかだ。行くぞッ!」
基本の構え、ファイティングポーズを取る。
右利きの俺は左手が少し前になる。左のジャブが出やすい構えだ。
行くぞ。左右のコンビネーション。
「ワン・ツー、ブロぉおおおッ!!」
ジャブ、からの右ストレート!
本来なら届かない距離、その差20mを埋める攻撃。
拳に集まっていた光が、光速で飛び出す。
「うおっ!?」
回避する時間は無い。一瞬の後、左の拳を模した光が着弾。ダメージもそうだが、何より貫通する痛みで一夏の動きを一瞬止める。そして続いて右の拳の光が一夏を貫く。
「く、くそっ!!」
ぐぐっと一夏のシールドエナジーが削られる。
近距離も中距離も、拳一つでこなすのがこの機体。まさに俺にぴったりな機体だ!
「まだまだまだァ!」
連打連打連打ッ!!
切羽詰った表情で、必死に俺の光の拳を回避しようともがく一夏に向かって、俺はひたすら拳を突き出す。点じゃなく面で制圧。弾幕の恐ろしさを知るがいい!!
「オラオラオラオラァ!!」
「ね、ネタなのか本気なのか、わかり辛いなッ!!」
「喋ってる暇あるのかぁっ!?まだまだ行くぞ」
ボッボッボッ!ボボボボボボッ!ボボボボボボボボボッ!!
止めない止めない、途切れさせることはしない。
息を止めたままラッシュを続ける。
俺の機体は、肘・手首・踵に特殊な小型のスラスターがついている。これを利用することで、実際にリングの中にいるような素早く体制を整えることができるんだ。
肘のスラスターを、吹かせて止めるを素早く切り替えることで拳を突き出す速度を更にあげる。
「落ちろ一夏ァ!!」
左一本で打ち続けながら、右手にエナジーを溜め続ける。
最初よりも濃い蒼色に染まる。
これが必殺、シャイニング・フォースト!!
鋭く速く、回転しながら伸びる光の一閃。
それはぐんぐん加速していき・・・・。
「これだっ!」
一夏の零落白夜によって切り裂かれてしまった。
「ってうおい!当たれよそこは!!」
「ははっ、甘いぞ拓夢!お前も言っていただろう、当たらなければどうと言う事は無いってな」
「なろっ。そりゃ俺の台詞だぞ!」
「じゃあ取られないようにするんだな!」
「ドヤ顔!?・・・てめぇ絶対落としてやるからな」
「甘い甘い!俺が先に落としてやるっ」
「「行くぞおらぁあああああああああああ!!!」」
両手が光を纏う俺と、刀が光を纏う一夏が激突する!!
IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
第24話 試験勝負!
「はっは~、悪いな一夏。俺の勝ちだ」
「く、くっそー。あと少しだったんだけどなぁ・・・」
「何言っても遅いぞ?ほれ、今日の夕飯おごりな」
「ちぇっ、しゃーねえか」
夜。俺と一夏の試合が終わってから数時間後。俺達は食堂に来ていた。
実は昼間の勝負、俺達はひとつの賭けをしていた。
勝った方の夕飯代を負けたほうが払うという内容だ。
あの試合、明暗を分けたのは機能の差だった。
一夏の零落白夜が、シールドエナジーを削って力に変えるのに対して、俺の光の拳“シャイニング・フォースト”は別途のエネルギーを使っている。
代償として、イコライザが一切付けられないところは白式と同じだけどな。
俺が攻撃するのを打ち消すのにエナジーを消費、攻撃を食らっても消費という具合に、中距離を保った攻防が続くと一夏のシールドエナジーは恐ろしい速度で減少していった。
このまま行ったら押し切れるというところで、一夏が突撃をしてきた。ギリギリで回避したけど、掠っただけで俺のエナジーが三分の二減った。
俺も焦って距離を取ろうとしたけど、そこで一夏のエナジーが切れて試合終了。勝者俺っていうことになった。
「全く、油断するからそうなるのだ!」
「そうですわ。これは、特訓を追加する必要があるようですね」
「待て!一夏に教えるのは私だっ」
「いいえ、篠ノ之さん。代表候補生である、わたくしの方がより正確に教えられますわ!」
後ろで二人のいい争いが聞こえる。
これは放課後、クラス代表になった一夏の特訓のコーチを二人が勤めることになってから毎日の様に繰り返されている事だ。
いい加減仲良くすればいいのにって思うけどな。
「拓夢君、今日は何を食べるの?」
「ん~、何にしよっかな・・・」
「昨日はカレーだったもんね。美味しかったなぁ~」
「母さんの手作りだからな。あの人、料理の腕はぴか一だから」
「あれ?拓夢って、昨日は家に帰ってたんだよな?なんで清香が夕飯の事知ってんだ?」
一夏、恋愛には鈍感なくせにこういう事には聡いな。
「んー、まぁ気にすんな」
「なんだよ、教えてくれよ。気になるだろ?」
「なぁ一夏、よく聞け。この世にはな・・・聞かないほうが幸せって事があるんだぜ?」
がしっと顔を掴んで、正面から目を合わせる。
この暗い瞳を見て察しろ、それ以上聞くんじゃない。
「・・・はぁ、そんなに聞いて欲しく無いなら聞かねーよ」
ならよし。
いまは何を食べるか考えろってな。
「おっし、狐うどんにするわ」
「じゃあ私もそれで~」
「俺は豚カツ定食だな」
「私はザル蕎麦にしよう」
「わたくしは・・・、どれにしましょうか?」
「「お~し、テーブルいくぞ~」」
「ちょ、お待ちになって!?」
メニューはタイミングが重要なんだぞ、セシリア。
おろおろしているセシリアを置いて、俺達はテーブルに向かった・・・・。
後書き
はい、機体のスペック公開です。
拓夢の専用機。
名前:ヴォアライター
武装:光の拳“シャイニング・フォースト”
近接特化の速度型。
無駄なものを削ることで空気抵抗を少なくした。
独特のシャープなデザインは空気の流れを調整し、より速くなるよう設計されている。
第三世代機としての武装が光の拳であり、そのエネルギーと機体の速度を上げるために使われているスラスターに要領を裂いていることで、イコライザがつけることが出来ない。
光の拳。能力は拳にエネルギーを纏わすこと。それを飛ばすことで中距離攻撃も可能。
拳にエネルギーをチャージする時間を延ばすことで、その威力を上げることができる。
今回は台詞ネタ回です。
感想を読んでいた時に思いついたといいますか、ちょっと混ぜてみるのも面白いかなと思ったのでやってみました。
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